新型コロナウイルスとメディアの現場

新型コロナウイルスに関連してメディアの現場で増えてきたリモート出演。テレビ番組でもよく見かけるようになった。ラジオ番組でも、全員がスタジオに集まるタイプの番組は減ったようだ。

私のラジオ番組のコメンテーターの仕事においても、今までスタジオに行っていた仕事が、電話出演となった。なお、昔からよくあるラジオの電話出演と違い、最近では電話以外のツールを使う場面も増えてきた。各局の決まりによって使えるツールは違うそうで。先日、出演したJ-WAVEの「JAM THE WORLD」はAppleのビデオ通話の仕組みFaceTimeを利用した。スタッフに「こちらの方が音質が良いようなので、よろしければ」と言われたが、たしかにクリアだった。

そんな中、久々にスタジオ出演というものがあり。MXテレビの「田村淳の訊きたい放題!」だ。放送局で感染する例が報告されており。やや怖かったのだが、ただ事前にスタッフから対策を聞き、さらに現場に行き、「なるほど、これは徹底している」と感じたので、取り組みを共有したい。

・スタジオゲスト2名は4名テーブルの両端に離れて座る。
・一部の出演者はリモート出演。
・希望すればマスク着用のままの出演も可。
・出演者各控室・スタジオ・エレベーター前などフロア内に複数の消毒液設置(本当に、いたるところに消毒液があった)。
・常勤者と出演者・出演者関係者以外は入館禁止。
・マスク未着用の場合は入館禁止。
・入館時に警備員が検温。37.5 度以上の者は原則入館禁止。
・正面玄関を封鎖、警備員のいる通用口からのみ入館可能。
・入館時には入り口に設置した消毒液で手指を消毒。
・出演者同士の控室を離す。
・打合せスペースも十分な距離を確保。
・収録終了後の記念撮影(HP掲載、SNS投稿用)も離れたまま撮影。

というものだった。かなりの徹底だった。

労働者が安全な環境で働くことができることを祈る者として、スタジオに生出演するのはどうかとやや悩んだが、納得感のある対応だった。一部の取り組みは、出社せざるを得ない企業でも参考にするべき点ではないだろうか。

何より、久々に家族とスーパーの店員以外の人と直接お会いすることができ感激した。いつもよりもテンション高めの出演になったかも。

貴重な機会に感謝。さ、普通に安心してスタジオでワイワイできる日が戻ってきますように。


編集部より:この記事は千葉商科大学准教授、常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2020年4月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。