医療従事者の方々のためにもSTAY HOME

現在も休業要請に応じない、施設名の公表が全国各地で相次いでいます。
これは新型コロナウイルスの感染拡大に対する対応策が講じられている特別措置法の第45条に基づくものです。

新型インフルエンザ等対策特別措置法 第四十五条
2 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間において、学校、社会福祉施設(通所又は短期間の入所により利用されるものに限る。)、興行場(興行場法(昭和二十三年法律第百三十七号)第一条第一項に規定する興行場をいう。)その他の政令で定める多数の者が利用する施設を管理する者又は当該施設を使用して催物を開催する者(次項において「施設管理者等」という。)に対し、当該施設の使用の制限若しくは停止又は催物の開催の制限若しくは停止その他政令で定める措置を講ずるよう要請することができる。

元々は、緊急事態宣言が政府から発令をされ、生活に必要な小売店以外の施設に対して、各都道府県知事が強い施設の使用制限、すなわち営業自粛を要請しました。
この要請は特別措置法の第24条に基づくもので、広く住民や様々な施設に協力を求めるという条項に照らしているものです。これが1stステージです。

新型インフルエンザ等対策特別措置法 第二十四条
9 都道府県対策本部長は、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、公私の団体又は個人に対し、その区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施に関し必要な協力の要請をすることができる。

この要請に対して正当な理由なく応じないという場合に今度は新型インフルエンザ等対策特別措置法の第四十五条で、個別の施設に対して要請をし、名前を公表する

2ndステージになります。この場合の正当な理由とは、新型コロナウイルスに関する重要な研究会の開催などという限定的なものですね。すなわちパチンコ店がそのまま営業するということは当然これには当たりませんので、それでも応じない場合は今度は営業自粛を指示して、そして店名を公表することで、さらにもう1ステージ上がります。

休業要請に応じない施設名の公表している自治体(28日17時現在)
大阪府・兵庫県・神奈川県

それでも従わない場合はどうなるのかといえば、この法律には強制力がありません。大阪府は、他の自治体に先駆けて、要請に応じないパチンコ店舗を公表しました。その結果、逆に客が殺到したんですね。この事態に、タレントのラサール石井さんがTwitterで、皮肉な結果になったことを皮肉りました。これに対して大阪府の吉村博文知事は、「大阪に700店舗近くパチンコ店があり、休業要請後に120店舗の開店状況と府民の苦情と専門家の意見。そこから詰めてきた結果の現在公表3店舗。ここだけ捉えて『分からんかったの?』とはお気楽な立場だよ。影響力ある立場なら『今だけはやめときましょう』位言えないのかね。」とツイートしました。

私も市長経験者としてよくよくその心情はわかるし、今回は吉村さんの本気度が伝わったと思います。先ほども言いましたが、要請・指示に応じなかった場合はそこまでであり、一応確認のために言っておきますけれども、罰則も罰金もありません。ですから、やった方が得ということで、正直者が馬鹿を見るということにもな離ます。私、はっきり言いますけれども営業禁止にして、罰則を設けるべきだと思います。

というのは、正直者が馬鹿を見るだけでなく、命をかけて治療してくれている人たちの心がもたないですよ。パチンコ店で感染した人が運ばれてきたときに、「冗談じゃない、あんたたちは診察しない」というわけにいきません。まさに最前線で医療に当たっている医師らから情報を得てますけれども、本当にやりきれない思いです。そういえば、お気楽なのがもうひとかたいました。メディアですね。

私が今言ったようなことを、「私権制限」とか、「国家権力の暴走」などとまた言うに決まっています。

皆さんも、一人一人が考えてください。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年4月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。