新田哲史さんの記事「玉川徹の妄言垂れ流し:水島宏明とヤフー個人に引退勧告する」に全く同感である。上智大学の新聞学科には、事実を確認しないで論評する伝統芸がある。
マイナンバーカードが登場した頃、東京新聞に「マイナンバーご注意!! カード作成急がず考えて」という記事が出た。2015年10月11日付である。記事には、新聞学科に当時在籍していた田島泰彦教授のコメントが載っていた。
クレジットカードやポイントカードなどを通じて民間に集まったデータを個人番号で照合できるようになれば、買い物や移動の履歴などで人物調査がしやすくなる。テロ対策などの名目で政府が国民を管理する手段になりかねない。
マイナンバー制度のどこにカード使用記録を収集し分析するなどの「政府が国民を管理する手段」が組み込まれていたのだろうか。そんな機能は存在しなかった。
田島教授は事実を確認しないで論評した。東京新聞も事実確認なしに間違った論評を掲載した。
さて今、10万円の一律給付は、オンラインと郵送のいずれかで申し込むことになっている。オンラインにはマイナンバーカードが必要だが、国民の多くはカードを保有していないから郵送に頼らざるを得ない。
郵送されてくる申請書の記載事項(紙のデータ)を間違えないように入力処理する行政の負担は膨大だし、そんなアナログからデジタルへの変換処理は給付の遅れにつながる。
マイナンバーカードの普及を阻害した責任の一部は、事実を確認しないままに論評した田島教授や東京新聞にある。