日本経済新聞の報道によれば、アメリカの著名投資家ウォーレンバフェット氏(写真、ツイッターより)が、株主総会でアメリカ大手エアラインの株式を全て売却したと明らかにしたそうです。
筆頭株主だったデルタ航空のほか、アメリカン航空、ユナイテッド航空、サウスウエスト航空といったアメリカの主要エアライン会社を全て売却しています。
そこには、アメリカの航空業界に対し、コロナウイルスの影響で事業環境が急変し、収益改善は当面見込めないという、バフェット氏の悲観的な見方があります。
バフェット氏の投資判断が常に正しいとは限りません。
しかし、今までの投資判断とは180度転換する急激な投資行動の変化は、資本主義社会の産業構造の変化が、予想以上のスピードと大きさで進んでいくことを示唆しています。
エアライン業界に対する悲観的な見方の一方で、バフェット氏はアメリカ株式に対する強気の見通しは引き続き変えていません。キューバ危機、ニクソンショック、ブラックマンデー、リーマンショックといった今までの危機を乗り越えてきた資本主義の可能性をコロナショックでも変えることなく持っています。
確かに、経済活動が再開されたとしても、飛行機の機内でどのようにソーシャルディスタンス維持するのか。また、国際線では、入国規制をそれぞれの国がどのように解除していくのか。エアライン業界には、答えが見えない問題が山積しています。
各国で経済活動が徐々に動き始めた世界経済ですが、その先にどんなライフスタイルが待っているのでしようか?
少なくとも、今までと同じということはあり得ないことは、誰もが認めざるを得ないと思います。
氷河期になって、それまで隆盛を誇った恐竜が滅びたように、巨大な資本の力で事業を拡大してきた主力産業が、あっけなく消滅する。そんな時代の変わり目に立っているのかもしれません。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年5月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。