まとまって休みが取れるGWは、貴重な海外旅行の機会だ。昨年はドイツ・オーストリア、一昨年はサンフランシスコ・シリコンバレー・ポートランドに行った。
今年は、何もなければ、フィンランドに行く予定だった。
東京の保育園は、全ての持ち物に名前を書いたり、カバーを縫ったり、父母会やさまざまなイベントがあって親が忙しいが、フィンランドは、とにかくシンプル。日本のような仕組みはなく、親が楽をしてもいいという。
フィンランドでは、教育の無償と平等が強調される。人は、決して平等には生まれてこないが、だからこそ、国が平等で無償の教育を提供する。貧富、性別、宗教、年齢、居住地、民族、性的指向などの違いによって差別されることのない、等しい出発点を一人一人に保障する。
そして、子どもの様々な権利を保証する。基本教育法第47条では、児童生徒は教育計画や学校の規則作成に参加する機会を作らなければならないとし、実際に、国の教育計画を更新するにあたっても、多数の子供たちの意見を聞いている。
フィンランドでは、知識の習得や偏差値の向上ではなく、いかに学ぶかを学ぶこと、創造的、批判的思考を身につけ、自分自身の考えを持つこと、アクティブで良識ある市民として成長することを目指す。
小学校から、自分で調べて、考えることが重視される。
小学校の「人生観の知識」の教科書では、次のような記述があるという。
・道徳は、時代と場所によって変化するか、それとも、いつでもどこでも同じか。
・何が道徳の始まりなんだろうか。人間は、どうやって道徳的で、正しいことと間違っていることを考える存在になったのか。
・グローバルな倫理とは何だろう。
フィンランドの小学校では、タブレットを全児童に配布、1クラスは20名~25名で構成される。英語とスウェーデン語は必修、1年生からドイツ語、フランス語、スペイン語、ロシア語、エストニア語、中国語が選択できるという。
フィンランドの教育は世界一と言われるが、日本と比べて授業時間は短く、テストは一切ない。一人ひとりの子どもの関心や目指すものは異なるので、子どもが自分らしく発達していくことが大事であり、他の子どもと比較したり、順位を競ったりすることには意味はないという考え方だ。
子どもの権利を保障するという観点から、いじめ防止や性教育なども充実している。
いずれは、現地を見てみたい。
編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2020年5月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。