税金で準備されたマスクたち

アベノマスクの評判が悪いですね。
全国の世帯に向けて1住所当たり2枚ずつ配布、そして妊婦さんには1人2枚/月が政府から届けられます。すでに届き始めたところもありますが私の家にはまだ届いてはいません。

評判が悪い理由の一つ目は、今や不織布の大きめなマスクが主流なのに対して、今回のアベノマスクはガーゼで小型です。

今回配布する布製マスクは、縦9.5cm、横13.5cmの市販品の大人用のものであり、口と鼻を覆うために十分な大きさであると考えております(※厚労省HPより)。

安倍総理の記者会見などで総理がつけているマスクがアベノマスクですけれども、国会中継なんか見ていても他の国会議員や閣僚はつけていません。ですから、安倍さんだけがつけているのを見て、私の親しい友人は「安倍さんの意地を感じる」と言ってました。

そもそも1世帯2枚ということで、4人家族でも10人家族でも2枚の配布ですから、人気があれば奪い合い、人気がなければ譲り合いになっちゃうかもしれません。なお、厚労省HPによりますと、「不足する世帯への対応方法については、現在検討中ですが、5月中旬を目途に追加配布の申し込み受付を開始することを予定しています」と書かれています。

二つ目には、不良品が多いということです。

アベノマスクは中国やベトナムなどの海外製ですけれども、検品をした結果、半分近くが不良品だったという報道もあります。不良品の発見が相次いだことによって、より厳密な検品でさらにチェック基準が高くなって不良品がまた増えたという悪循環でもあるようです。結果、不良品探しというか、検品の強化ということで全ての検品に8億円がかかってしまうそうです。これ検品費用は納品した業者にちゃんと国が請求をして、税金を使うことがないようにしてほしいと思います。

私は、ちょっと傷がついてたから、ちょっと形が悪いからといって不良品というのはあまり好きではありません。「髪の毛1本で…とかいうのも、う〜ん….」と思うけれども、ただ今回の場合はやっぱり衛生用品ですからね。

三つ目にマスクが出回ってきた今頃?という問題です。

私の家にはまだアベノマスクが届いていませんが、すでに不織布のマスクが店頭に並び始めました。一時は1枚100円ほどに高騰して、高く売りつけた業者もいましたけれども、最近では30円ぐらいまで落ちてきてますし、これからさらに出回れば元の値段に戻っていきますよね。ですから正直、これからマスクが届いても嬉しいとなるか、助かったとなるかといえば厳しいですね。

しかし、マスクは秋以降にまたなくなるのではないかという話もあります。第二波がもし来るとなれば、今回と同じようにマスクは明らかに不足すると思いますしね。マスクが以前のように買えるようになれば、がばっと買い占めしかなく、各家庭で定期的に少しずつ買って備蓄をしておいた方がいいと私は思いますし、それからアベノマスクをその時のためにとっておくというのも手かもしれません。

例えば札幌市ではアベノマスクの寄付を受け付けています。寄付されたマスクは子供や高齢者の施設や団体で使うということで、東京のボランティア団体も同様に寄付を社会福祉の施設などで使うということですから、こうした寄付を活用するのもありかもしれません。いずれにしても税金で準備したマスクですから、無駄にするのはやめましょう。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年5月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。