日本では「人に迷惑をかけてはいけません」 と教わることが多いが、インドでは「人に迷惑をかけられても許しましょう」と教わることが多いという。
「人に迷惑をかけてはいけません」という言葉は日本の美徳の一つだろうが、ともすれば、「人に頼ってはいけません」という変な自助努力を助長したり、あるいは、「迷惑をかけた人を許してはいけません」、(自分が迷惑をかけられなくても)(迷惑をかけた人を)「社会的に制裁しましょう」という考えにつながることもある。
インターネットは、誰もが気軽に情報にアクセスし、情報を発信することができるが、自分に近い考えにだけアクセスし、さらに匿名性の中で考えが先鋭化・過激化しやすいきらいもある。
withコロナのストレスがたまりやすい生活だからこそ、社会の寛容性を取り戻すことが重要だ。何事に対しても「許せない!」と声高に叫ぶよりも、「人に迷惑をかけられても許しましょう」というインド的な考え方を取り入れることも大切ではないだろうか。
<井上貴至 プロフィール>
編集部より:この記事は、井上貴至氏のブログ 2020年5月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『井上貴至の地域づくりは楽しい』をご覧ください。