5月11日付けのJane’s Defence Weeklyはフィリピン軍が米国からAH-64E、あるいはAH-Zを6機調達すると報じています。フィリピン軍は本来トルコからマングスタの改良型であるT129を導入予定でしたが、米国がエンジンの輸出を認めなかったために頓挫しました。
現在フィリピンは8機のA109Eの武装型、12機のMD500MG、ヨルダンから購入した2機のAH-1などを保有しています。
攻撃ヘリ調達予算はAH-64Eの場合、1.5BUSD(約1600億円)、AH-1Zの場合は450MUSD(約500億円)とのこと。支援設備、武装、訓練、スペアパーツなど込みの価格です。
フィリピン軍にしてはかなりのお買い物ですが、きちんとどちらが良いか精査して採用するのでしょう。同国の場合、予算の制限で機数が揃えられないというものがありますが、主たる対象は対ゲリラでしょうから、さほど問題はないのかもしれません。個人的には数を増やして武装ヘリにした方がよろしいかとは思いますが。本来T129を選定しており、また価格からすればAH-1Zがより近い機体ですから、こちらが選ばれるかと思います。
対して陸自は、事実上攻撃ヘリ部隊が壊滅しているのに多額の費用と人員を張り付けて、AH-64DとAH-1Sの部隊を維持して税金をドブに捨てています。そして誰も責任をとっていない。運用できないならば部隊を廃止して、税金のダダ漏れを塞ぐべきです。
2025年以降はAH-64Dのサポートも終わりますから、その頃には、フィリピン軍の方が陸自よりもまともな攻撃ヘリ部隊を有していることになるでしょう。
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Japan In Depthに以下の記事を寄稿しました。
European Security & Defence に以下の記事を寄稿しました。
Hitachi wins Japanese bulldozer contract
東洋経済オンラインに以下の記事を寄稿しました。
編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2020年6月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。