小池都知事の学歴詐称疑惑追及が「無意味」な決定的理由

都庁サイトより

再燃した小池都知事の「学歴詐称疑惑」

7月5日投開票の東京都知事選に小池百合子現知事は再出馬の意向を表明した。同知事は安倍政権とは異なり、東京都としての「コロナ対応」で都民の支持率が急上昇している。したがって、再出馬すれば再選が確実視される。

しかし、ここにきて、過去に週刊誌等で何度も指摘された同知事の「学歴詐称疑惑」が再燃している。

「学歴詐称疑惑」とは

小池知事の「学歴詐称疑惑」とは、同知事がこれまで衆議院選や都知事選の選挙公報などで何度も表示してきた「カイロ大学卒業」の学歴が「虚偽」であり、実際は同大学を卒業していないとの「疑惑」である。

ノンフィクション作家 石井妙子氏の著書『小池百合子:虚飾の履歴書』及び『「女帝」小池百合子』(ともに文藝春秋社)や、作家 黒木亮氏のネット記事などで「疑惑」が詳細に指摘されている。

弁護士の郷原信郎氏も最近「アゴラ」などで小池知事の「学歴詐称疑惑」に関する法的問題を論じ、公選法違反(虚偽事項公表罪)や刑法違反(私文書偽造・同行使罪)の可能性を指摘している。

小池知事の主張

小池知事はこれまで「カイロ大学卒業」は真実であり、卒業証明書を提示し、学歴詐称ではないと何度も主張している。

しかし、「文春」をはじめ週刊誌などマスコミの追及は執拗であった。その最大の根拠とされたのは、前記石井氏の著書にもあるカイロ時代の「元同居人女性」による「彼女(小池知事)は実際にはカイロ大学を卒業していません」との証言である。

カイロ大学は卒業を認める

しかし、上記「元同居人女性」の証言やマスコミの執拗な指摘にも拘わらず、これまで作家やマスコミ等からの問い合わせに対して、カイロ大学自体は一貫して小池知事が1976年10月に同大学文学部を卒業した事実を認めている。このことは前記石井氏の著書や黒木氏のネット記事にも記載されている。

言うまでもなく、小池知事の大学卒業の有無を最終的に決定する権限を有するのはカイロ大学だけである。したがって、カイロ大学が卒業の事実を認める以上は、これが唯一の事実であり、第三者による如何なる干渉も許されない。

なぜなら、日本の裁判所にも、検察庁にも、弁護士にも、作家にも、ジャーナリストにも、週刊誌にも、元同居人女性にも、上記決定権は一切あり得ないからである。

したがって、第三者が小池知事の「カイロ大学卒業」を否定する以上は、同大学による卒業認定が「不存在」「虚偽」「無効」である旨の主張立証責任が求められよう。