コロナ対策・支援策は首長が臨時会を招集する緊張感をもて

68日月曜日、私の地元である佐倉市議会の6月定例会でも、コロナ対策・支援策議案が可決されました。

6月定例会で答弁する佐倉市の西田市長(佐倉市議会サイトより:編集部)

伴いまして、合計約554百万円(内国庫支出金約374百万円)の補正予算を使ったコロナ対策・支援策の事務が、一斉に市役所内で開始されることとなります。

支援策の受付事務は、早ければ来週15日以降には開始とのこと。施策の概要は69日現在では先週アップした私のブログ「新型コロナウイルス感染症にかかる佐倉市の支援策の概要」が最も詳細かつ網羅的に書かれているので、そちらをご覧ください。下段に施策一覧も作りましたので、見たい施策を簡単に見つけることができます。

臨時会を招集しないという怠慢

佐倉市において、通常の6月定例会開催まで支援策を取りまとめられなかったのは、首長の意識が低かったからと言わざるをえません。

ご案内のとおり、市の予算はすべて市議会の可決が必要です。議会から「OK」が出なければお金は使えない。そのため、施策が固まったら「6月定例会」を待たず、間髪入れずに「臨時会」を招集し、議決する体制をとった市町村が多くあります。例えば、須賀川市、上田市、我孫子市などがそうで、いずれも5月中には臨時会でコロナ対策・支援策を可決させ、正式な市の施策としました。

動画「佐倉市:コロナ関連議案の内訳と市長のリーダーシップ」でもお伝えしたとおり、佐倉市でも共産党木崎議員の旗振りで、私も提出議員の一人として名を連ねた要望書を市に提出し、臨時会の招集を呼びかけましたが、「予算の提案権は市長の専権事項である」とのことではねつけられた経緯があります。

特に支援策については、一刻を争う深刻な状況に陥っておられる方がいる以上、市長は緊張感をもって先手を打たなければいけません。「臨時会を開きたかったが、施策の取りまとめに手間取り、結局6月定例会ギリギリまでかかってしまった」というのであれば、それもやはり市長の采配の問題でしょう。事前に予算規模、優先順位、期限を部長に伝えておけば、多くの他市が実施しているような迅速な対応ができないはずがありません。

議会としてすべきこと

結果、佐倉市における「コロナ対策・支援策」議案は、6月定例会招集日の68日月曜日、「先議」という議会テクニックを使って同日に可決されました。

通常は、招集日に議案の説明があって、各常任委員会で審査されて、最終日にまとめて議決するのですが、緊急性を要する議案は「先議」という形で、会期の途中で議決することも可能なのです。

一応、8日に無事可決され一安心ですが、昨日の議決前に行われた討論にて、緊張感をもって臨むよう、市長に厳しく伝えました。コロナ対策で時間制限が設けられていたこともあり、短いのでサッと読めます。

手前みそのようで若干気が引けますが、市長と議会は本来牽制関係にあり、市長に問題があるときには、市民の代表として厳しい言葉を伝える必要があるはずです。そういった緊張関係が、次回の迅速な対応につながっていきます。

その意味で、佐倉市に関わらず、今回のコロナ禍に関する首長の采配を議員としてどうとらえたのか、すべての地方議員は議会、Web、チラシ、報告会等でしっかり表明する必要があるでしょう。

以下、討論の原文を掲出します。

◆討論原稿(冒頭挨拶抜粋版)

議案第一号 令和二年度佐倉市一般会計補正予算、いわゆる新型コロナウイルス対策予算について、賛成の立場で討論します。

ただし、本件市長の対応が極めて遅い。

新型コロナウイルスの対策案がかたまった時点で、一日でも早く市長の専権事項である臨時会の招集を、すべきであったと考えます。

一刻も早く市民に佐倉市の支援を届けたいと思うならば、市長はそうすべきだった。他市の事例でも、新型コロナ対策予算を通すための臨時会招集は、須賀川市、上田市、我孫子市など、枚挙にいとまがありません。

市長は今回の対応の遅れを猛省し、万一第二波、第三波に見舞われたときにはしっかり先手を打つようお願いし、賛成討論を終えます。