検察がどこまで踏み込むのか、注目しているところである。
マスコミによく登場するコメンテーターの皆さんが、揣摩臆測の類を頻りに垂れ流しているが、検察OBの方々のコメント以外は眉に唾をつけながら聞くようにしている。
自民党総裁室にがさ入れがあれば安倍総理はお終いだ、などと仰る方がおられるが、私の見立てではそこまではしないだろうと思っている。
確かに自民党本部から各選挙区支部への金の流れがどうなっているか、どの選挙区支部にいくらの資金を拠出するかをどなたが決めているのか等、色々知りたいことは沢山あるが、自民党の様々な活動の根幹中の根幹に関わることだから、自民党としては何が何でもそれだけは避けたいはずである。
任意の聴取にも任意の証拠提出にも応じるが、強制捜査になることだけは何が何でも回避する。
自民党総裁室まで家宅捜査をするようになる事態は、自民党が何かしら証拠隠滅に動きそうな具体的な懸念がある時だけで、少なくとも河井夫妻の公職選挙法違反(買収)容疑について党本部が関与している疑いはないはずである。
検察当局を怒らせるようなことをしてしまえばどうなるか分からないが、党本部の人たちがそこまで愚かだ、などということは私には信じられない。
まあ、常識的な線に落ち着くんじゃないかな、と思っている。
若干懸念されるのは、収賄側の人たちが起訴されないんじゃないか、という噂が流れていることである。
起訴するかしないかは検察官の腹一つ、ということはよく分かっているのだが、しかし、贈賄側が起訴されて収賄側が起訴されないで終わった、などということになったら、世間の批判は検察に向かうはずである。
検察審査会への申立てが殺到するはずだから、収賄側は起訴しないでおこうなどと決めてしまったら、検察は嗤われるはずである。
念のため。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2020年6月24日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。