もっと外の世界をノックしてみよう

photoB/写真AC

私のコロナ後初のリアル会合はバンクーバーのインドネシアコミュニティ関係の集まりでした。当地で親しくさせて頂いているBC州のある大臣からのお誘いで地域コミュニティの集まりがあるから来ないか、とお誘いを受け、伺ったものです。実に4時間にもわたる盛り上がりで大変楽しいひと時でした。

私はバンクーバー日系ビジネス10団体を取りまとめる協議会の議長を2018年1月からさせて頂いておりますが、活性化という点で非常に苦慮しております。一つはそれぞれの団体の活動が不活発化していること、外向きというより同好会的な団体も見受けられ、身内の集まりになりかねないこと、団体の構成員の平均年齢が上昇化傾向にあり、新陳代謝が少ないことなど様々な理由があります。

そんな中、コロナで各団体傘下の企業さん、社員さんがどうなっているのかも見えにくかったためにコロナ対策の情報を頻繁にメール送付したり、ウェビナーを開催したりしてきました。無駄な努力かもしれませんが、団体のベクトルをきちんとそろえ、情報格差をなくすという趣旨であります。

ただ、正直、一人で空回りしているようなこともあり、活動の輪が大きく広がらないところは長年の悩みであります。

そんなこともあり逆に私自身が外に出ていかねばならないと思い、外部団体との接点を求めて本格的に活動を開始したのはこの2年ぐらいでしょうか?外部団体、つまり他の国のビジネス系団体などとやり取りしていて気がついたのは他国の人は当地の日本のコミュニティに一定の興味があるものの我々の存在すら知られていない状況でした。

それを打破するには外部団体との接点を増やすしかないと考え、数多くのイベントに参加するようになります。最近では参加するから知っている人が増え、より情報や人の輪が増えていることを実感しています。

日本では少ないと思いますが、このようなコミュニティイベントには州の首相、大臣、議員、市長、市議などがびっくりするほど積極的に参加します。ある日系ビジネス向けの10名程度の小さなイベントには大臣が3人と議員が複数参加したこともあります。みな、興味があるのです。なのに日本側から参加者すら集まらなくて苦労するのが実情です。

考えてみれば私が日本で会社員だった時、社内の飲み会や「5時から営業」には連日よく参加していましたが、社外の人と出会うことはめったにありません。昨年だったか、六本木である社団法人の集まりに呼ばれたのですが、結局、どの方も自社の人と数人の小さな塊を作ってしまい、そこに入り込めず、一人で来ているような方を見つけるという感じでした。

日本人が集団行動を止めたらどうなるか、ある意味、結構いけるのではないか、という気がします。コロナ後の世界の一つに社内がネットなどよりドライなつながりになれば会社との関係は個人の能力重視になります。その時、自分のレベルアップには一人で外の世界にチャレンジすることになるでしょう。「心の扉を開け、一歩踏み出そう!」です。ある意味、日本が少しでも良い方向に変わってくれることを祈っています。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年7月5日の記事より転載させていただきました。