現職都議がみる都知事選延長戦 〜3つの視点

奥澤 高広

こんにちは、東京都議会議員(町田市選出)の
おくざわ高広です。

昨日の東京都知事選および都議会議員補欠選挙の結果が出ました。
候補者の皆様、候補者を支えた皆様、改めてお疲れ様でした。そして、ありがとうございました!


私としては、この結果をとう読み解き、どのような行動に結びつけていくのかが最も重要だと思っており、3つの視点から、都知事選と都議補欠選挙を読み解いていきたいと思います。

1. 東京都知事選では、小池百合子候補が圧勝!しかし…

正直に言うと、小池候補が勝つことは分かっていました。新型コロナへの対応や4年間の都政運営が評価された結果であると受け取っていいかと思います。

しかし、もっと大事なことは、この選挙を通じて、コロナ禍における都民の想いを知ることです。22人の立候補者のうち、当選したたった1人だけが、その想いに応えていく権利が与えられたのであり、小池知事はその重責を一身に背負うことになります。

その意味から、NHKの実施した都民1万人アンケートは、大いに参考になります。

中でも注目したのは、小池知事の資質です。

この調査結果は、特に新型コロナ対策にあたる小池知事の見方が表れていると思います。その発信力やリーダーシップ、決断力への高評価に対して、弱者への共感が非常に低い数字なことが分かります。新型コロナは、特に社会的に立場の弱い方の暮らしへの悪影響が強く出るという指摘があり、他の候補者の主張でも、その具体例が述べられていました。

こうした声を丁寧に拾い上げ、施策へと展開していけるよう、議会側からもしっかりと働きかけていく所存です。

2.投票率は低調。でも…

投票率は、残念ながら前回の59.73%を下回る54.97%でした。新型コロナの影響もあり、また小池知事の優勢が序盤から報道され、メディアの取り上げ方も大きくなかった中では、それなりの数字だったのかもしれません。

しかし、このグラフを見てください。

同じくNHKのアンケートですが、知事の重要性が変わった(=重要だと考える人)が79%いるにも関わらず、投票率は54.97%しかなかったというのはあまりにも悲しいことです。これは出口調査ではなくモニター調査なので、つまり重要だと思いながらも投票に行かなかった人が数多くいるということです。

私は、その方々を責めたくてこの話をしているのではありません。投票にいこう、選挙で社会は変わる、そう思ってもらえるような活動をしていかねばと心を新たにしています。

3.都議補欠選挙は、今後の選挙の試金石…

選挙期間中のブログでも触れましたが、4つの都議補選は、今後の各政党の動きを見るうえで非常に重要な意味合いがあります。

まず、小池知事は自民党支持層の約6割、立憲民主党支持層の約3割を獲得するなど、政党を越えて支持される存在になっていることが分かります。

一方で、北区の得票を見てみると、小池知事が特別顧問を務める都民ファーストの会の候補者の得票は14%であり、小池知事の人気が都民ファーストの会の得票に直結しないことが分かりました。これによって、来年の都議選は群雄割拠の乱戦となることが予想されます。

また、日野選挙区は、国政与党VS国政野党の事実上の一騎打ちとなった選挙であり、近いうちに行われるであろう衆議院議員選挙を占うものとなりました。途中、共産党候補優勢が伝えられていましたが、最終的には自民党に軍配があがった形です。

北多摩第三選挙区(調布・狛江)の結果には、正直にいって大変驚きました。都議会において1人しか議席を有しておらず、この選挙区で初めて独自候補の擁立に踏み切った生活者ネットの底力を見た気がします。これについては、私も分からない点がとても多いので、探りを入れていきたいと思います。また、共産党とネットを足すと自民党を越える得票をしていることも見逃せません。

大田区選挙区は順当といったところですが、今回の知事選及び都議補選は、来年の本選に向けた前哨戦としての意味合いが強く、地域ごとの各政党の力量(支持率)がはっきりと見てとれるものです。これをベースに各政党の候補者擁立の準備が進むものと考えられますが、維新の参議院議員やながせ議員のおひざ元だけあって、2位に食い込んでいるのはさすがです。


さて、私は、この知事選と都議補選に積極的に関わることはしませんでしたが、それは自分の道を自分の足で歩むという意思表示でもありました。この間に募集したTEAM無所属 東京みらいについても、予想を超える方々にご応募いただきました。森沢議員もブログ「龍になる」で書いていますが、ふるい政治の1割を変えていく旗振り役の務めを果たしていきます。

中でも、政党ではなく 「人」(政策や活動)をみて選んだ方、投票しないという選択をされた方に対して、信頼できる新しい選択肢を示していけるよう頑張ります。引き続き、ご指導のほど、よろしくお願いします。


編集部より:この記事は、東京都議会議員、奥澤高広氏(町田市選出、無所属・東京みらい)のブログ2020年7月6日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおくざわ高広 公式ブログをご覧ください。