都議会は7月臨時議会へ~新型コロナ補正予算を質疑~

こんにちは、
東京都議会議員(町田市選出)
無所属 東京みらい おくざわ高広です。

東京都では、日に日に感染者が増える状況であり、都議会も相当な危機感をもっています。

東京都243人が感染 過去最多(7/10 NHKニュース)

東京都医師会からは医療体制の視点から提言もなされています。
✓軽症患者が多いので、宿泊療養施設の確保を
✓都立・公社病院を新型コロナ専門病院として集中対応を
✓介護を止めるな
といったものです。

また、小池知事の記者会見では、改めて「新しい日常」の徹底をお願いしています。

そのような中、東京都では新たに3,132億円の補正予算が示されました
この財源について、大半は国が負担するものですが、主な内容は以下の通りです。


ポイント① 医療・介護・障害福祉を守る!

医療を支えているのは言うまでもなく「人」です。その意味で、医療、介護、障害福祉サービスで働く方々への慰労金や受入医療機関への臨時支給金は重要です。また、その他の医療機関や薬局、介護や障害福祉サービス、あるいは児童福祉施設等における感染リスクや経営上の不安が指摘されており、感染拡大防止対策を支援することも大切な視点です。

ポイント② 弱い立場の方々を守る!

無所属 東京みらいでもくりかえし要望してきた児童虐待やDV等の相談体制強化(民間団体が感染拡大防止をはかったうえで相談を行えるように支援)や低所得のひとり親世帯への特別給付金などが盛り込まれたことは大切です。限られた財源の中では、より厳しい環境に置かれた方々へしっかりと目を向けていく必要があります。
また、先日の一般質問で取り上げた障害者就労についても、支援が盛り込まれていることにも注目しています。ウィズコロナにおいても、障害のある方々が自分らしく働き、暮らしていける環境づくりを進めていきます。

ポイント③ 家賃支援で事業者を守る!

新型コロナの感染拡大を防ぐには、やはり外出を減らすことや3密を避けることが重要です。しかし、その行動をとることは、飲食店をはじめとする事業者の経営を苦しくすることとウラとオモテの関係にあります。国でも家賃給付を行いますが、東京都は家賃相場が高く、上乗せ給付が必要とのことで納得です。私たちも4月初旬に要望しており、少しでも早く事業者の手元に届くよう、丁寧に質疑をしていく所存です。

ポイント④ 区市町村と連携したきめ細やかな対策で暮らしを守る!

豊島区では、「夜の街」の店舗に対して休業要請を行い、あわせて協力金を支払う仕組みがモデル実施されるとのことですが、こうした取組に対して、計50億円の予算が計上されています。3月や4月の状況とは異なり、都内全域の活動をストップさせる必要はないとしながらも、エリアや対象をしぼって、効率的・効果的な対策を講じていく必要があります。その点では、現場感覚に優れた区市町村との連携で進めるきめ細やかな対策は重要です。
一方で、お金を出すだけが東京都の役目ではありません。早々に特設サイトを開設した東京都だからこそ、これまでのデータを最大限活用し、これまでの取組を検証し、有効な手立てへとつなげていく必要があります。できる限りオープンな形で検証結果を示したうえで、望ましい行動を促すよう求めていきます。

検証という観点では、先日開催された専門家による第一回モニタリング会議について、同僚の斉藤れいな議員がまとめているので、あわせてご覧ください。

昨日は224人、本日は243人。第一回モニタリング会議の見解は?

ポイント⑤ 雇用を守り、命を守る!

失業者対策として、1か月間のトライアル雇用(都が給与を負担し、民間企業で就労)と正社員定着助成金を組み合わせた取組も見逃せません。先日開催された東京まちづくりゼミにおいて、不況と自殺者数の相関を調べたグループがあり、適切な失業者対策を講じれば、自殺者数は必ずしも増えないという外国の事例発表もありました。加えて、自殺相談の強化も行うとのことですので、必要とする方に手が届くような仕組みとなっているのか、確認していきます。

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実は、小池知事が再選し、都庁の体制が刷新されました。定年などもあるのですが、総務局や福祉保健局の局長(トップ)が変わったことは、都政の継続性を求めてきた私にとっては、一抹の不安が残ります。

都議会は7/17開会、7/20~23委員会審査、7/27閉会となります。

都庁の体制は整っているのかといった視点についても、質疑を通じて確かめていきます。


編集部より:この記事は、東京都議会議員、奥澤高広氏(町田市選出、無所属・東京みらい)のブログ2020年7月10日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおくざわ高広 公式ブログをご覧ください。