くにうみ漫画ワールドカップ 第一回表彰式!

「全国くにうみ漫画ワールドカップ」。
第一回の表彰式が淡路島にて開かれました。
マンガによる「淡路島日本遺産」の普及と、歴史・伝承を活用した国内外との交流を目的にしたものです。
「淡路島日本遺産部門」、「記紀・万葉集部門」の2部門で開催。
日本産に認定された兵庫県淡路島の「国生み神話」などをもとにしたストーリーや、「古事記」「日本書紀」「万葉集」に関連する全国に伝わる伝承・神話を題にしマンガ作品を募集しました。
海外を含め437作品が集まりまた。
古事記の冒頭を飾る「国生神話。淡路は、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)が天沼矛(あめのぬぼこ)で下界をかき回し、最初に生れた島。
かき回し、落ちた塩の雫から島が生まれ様子は、ここの塩づくりに重なります。下界が渦くさまは、鳴門海峡を想わせます。
国生み話ゆかりの「えびす舞」を起源とする淡路人形浄瑠璃も、地元の淡路人形座によって大切に伝承されてきました。
古事記編纂から1300年を経て脈々と受け継がれてきた壮大な天地創造の物語。
これを再発見し、マンガ国内外に発信する。地域創生の新アプローチでもあります。
ぼくが審査委員長を務めました。他の員は以下のレジェンド。
里中 満子(マンガ家/大阪芸術大学教授・キャラクター造形学科長)
堀井 雄二(ゲームデザイナー/洲本市名誉市民)
吉村 和真(京都華大学副学長)
映えある第一回の受賞者は、プロのイラストーターやンガ家志望者から小学一年生まで。
総合大賞 EITIさん「はじまりの島おわりの間」
記紀万葉集大賞 更科雫さん「かみさまばなし」
日本遺産部門優秀賞 駒碧さん「はじまりの物語」
日本遺産部門優秀賞 沖田敦也さん「令和国生み物語」
委員から以下のようなコメント。
吉村さん「マンガの力と歴史を学ぶ力が必要な大会。海外の応募もあり、神話とマンガの国際性をみた。」
堀井さん「質・量ともに高かった。」
里中さん「想像を形にする能力が人間の力。役に立つ、より、感動する、が大事。マンガはベテランも新人も関係ない平等で公平な世界。」
ぼくは以下のようにコメントしました。
1300年を越える歴史文化と世界先端の表現・マンガとを組み合わせて、新しい世界をみんなが作る。日本にしかできない取組み。各地の魅力をポップカルチャーで発掘して世界に発信するクールジャパン作戦のモデルになります。今は海外から来ていただきにくい状況だが、コロナが収まれば発信をしましょう。
それにふさわしい量と質の作品が集まった。437作品、絵画からもお寄せいただいた。プロの連載モノじゃないかと思えるハイエンドの作品や、小学一年生の、ひと目みれば幸せな気分になれる作品も。ぼく自身が神話や日の文化を学んだ作品も多い。
里中先生は以前、「マンガは誰でも作れる。絵だけじゃなく、文もキャラもストーリーもある。」とおっしゃった。「だからあんたもマンガを作りなさい。」ぼくは「ハイ!」と返事したものの、まだその宿題を提出していません。今回の作品を通じ、ぼくもがんばらんといかん、エネルギーをいただきました。
ところで。表彰式の会場「ハローキティショウボックス」は、ふだんキティちゃん満載のシアターレストラン。これでもか。
はこうしたジャパン・ポップが淡路島には集積しています
甲子園球場の数十倍ある兵庫県立淡路島公、アニメパーク「ニジゲンノモリ」ではナルト、クレヨンしんちゃん、手塚治虫の鳥という、バラバラなチャンピオンたちがアトラクションを提供しています。
ゴジラのアトラクションを作る事が行われていました。
マンガ・アニメ・ゲームの二次元コンテンツの世界観を、体を動かしてリアル体験できる2.5次元アニメパークです。「最新テクノロジーを使用し、まるで作品の中へと迷い込んだ錯覚を起こす幻想的なアトラクションや、二次元コンテンツの世界観を踏襲したアクティビティ」。
くが訪れた日はコロナ真っ最中でしたが、行き場をなくしたかたがたが大勢おしかけ、普段の数倍の人出だとか
空のもとで非濃厚接触で遊ぶ。
コンテンツを活かした地域おこし。また来ます。

編集部より:このブログは「中村伊知哉氏のブログ」2020年7月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はIchiya Nakamuraをご覧ください。