映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」に全く感動しなかった話

奥澤 高広

こんにちは、東京都議会議員(町田市選出)
無所属 東京みらい おくざわ高広です。

ここのところ、政治界隈で「感動した」と取り上げられていたり、

友人からのススメもあって「なぜ君は総理大臣になれないのか」を見てきました。

簡単に言うと、衆議院議員小川淳也さんを17年にもわたって追い続けたドキュメンタリーであり、その副題にもある通り、大変誠実なお人柄については、率直に素晴らしい方だと思いました。

一方で、私は全くといって言いほど、共感も感動もしませんでした。

それはなぜか。結局のところ政治の論理にのっかっているからです。

私は、そもそも政治が答えを持っていない時代だと捉えており、政党単位での権力闘争や、その中での出世競争で総理大臣になった人が社会を良くできると思っていません。

もし、それで社会が良くなっているのであれば、もっと国民の皆さんから信頼されているはずだし、投票率が50%、つまり半分の人が投票に行かないなどということはあり得ません。

昨日、立憲民主党と国民民主党が両党解散し、新党を設立するというニュースが飛び込んできましたが、この動きに期待する人がどれだけいるのでしょうか。

特に感動できなかった理由①  比例復活だから力がない !?

小川議員は、強力なライバル候補がいるために小選挙区での当選が叶わず、比例復活当選が多いとのことです。国民の皆さんからすると、小選挙区でも比例復活でも同じ議員かもしれませんが、一般的に比例復活の方が党内での立場が弱く、要職につきにくいと言われています。

このことを気に病み、支援者に頭を下げるシーンや、どうしたら小選挙区で勝てるのかと悩むシーンも出てきます。でも、これまで17年間もうまくいかなかった方法を掘り下げて、突き詰めていった先に答えがあるとは私には思えなかったのです。

特に感動できなかった理由②  妻です。娘です。がいいね !?

作中には、幼いころに泣いていたお子さんが成長して「娘です」というタスキをつけて応援し、その姿を見て、それがいいと話しかける有権者の方が登場します。もちろんご家族一丸となって、より良い社会のために当選を目指す姿のは美談なのでしょう。

しかし、本当に美談でしたっけ?顔を見たことあるから、知人に頼まれたから、家族みんなで頑張っているから、そうゆう理由で投票してきた結果、社会は幸せになったのでしたっけ?と改めて考え込んでしまったのです。

特に感動できなかった理由③  総理大臣にならないと社会は変えられない !?

この映画のタイトルにもなっていますが、総理大臣にならないと社会は変えられないのでしょうか?政治家のゴールは総理大臣以外にはないのでしょうか?小選挙区で勝ち、党内で力を高め、政権を奪取し、総理大臣になる。そのロールモデルが空虚なものにしか思えなかったのです。

もちろん目指す先にあるものとしてはいいのでしょうが、どんなに高尚な人間だとしても、一人の人間がトップになっただけで政治が変わるとは思えません。本当の意味で、政治を変え、社会を今よりも良いものに変えていくには、総理大臣になることがゴールではないと私は思っています。

結論

私は私の道を行きます。

というわけで、どんな映画だよと思った人は是非見に行ってみてください。

政治家が普段何をやって、どんなことを考えているのかを知るには、おもしろい作品だと思います!


編集部より:この記事は、東京都議会議員、奥澤高広氏(町田市選出、無所属・東京みらい)のブログ2020年7月16日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおくざわ高広 公式ブログをご覧ください。