こんにちは、東京都議会議員(町田市選出)
無所属 東京みらい おくざわ高広です。
4連休、旅行や外出を楽しみにしていたご家族やと腕まくりをして待っていた事業者の皆さんにとっては、大変難しい判断を迫られる状況になっています。先日の小池知事の記者会見では、「感染しない、感染させない」行動が呼びかけられ、多くのメディアが「外出自粛」を見出しにもってきていましたが、国あるいは大阪では異なる見解が示されているため、さらに判断を難しくしています。
私のもとにも、どうしたらいいのかと見解を求められる場面が続いています。
そこで、議会で受けている報告や知事会見をもう一度読み解き、そのメッセージを正確にお伝えするとともに、私自身がどのように過ごしていくのかをお伝えしたいと思います。
1. 国からのお願い
菅官房長官は、
「体調の悪い方には外出を控えていただきたい。外出する際にも『3密(密閉、密集、密接)』を避けるなど、感染防止策を徹底していただきたい。」
と呼びかけており、感染を防ぐ手立てを講じた上での行動をとること、その際、外出自体を止めるものではないという見解が示されています。
これは、特に日本全国の経済状況を憂う視点からなされている判断と考えられます。
経済と命とどちらが大事なのかということをおっしゃる方もいますが、これ以上経済を止めていると経営が成り立たない、つまり生活をしていけないという事業者の声も数多く耳にします。加えて、これ以上の経済的な補償が難しい状況下では、多少の感染拡大があっても、コロナと付き合っていくという方向性を示したものと考えられます。
日本全国で状況も異なる中で、日本全体の方向性を示すことは重要だと思いつつ、国と自治体の足並みがそろわない、というよりも役割分担や機能の重複があることへの問題意識がわいてきます。地域をまたいでの移動や海外との往来についての対策については国が、一定の地域内での行動については自治体が、それぞれ責任と権限をもつべきと考えるものです。とはいえ、現時点でそれは難しいので、より緊密な連携を望むものです。
2. 大阪府からのお願い
大阪府の吉村知事は、この4連休では外出自粛や休業要請を行わないとしていますが、決して楽観的に事態を見ているわけではないようです。会見によると、
「休業要請をかけて、いったんは(感染者数が)下がっても、また9月に同じように広がってくるので、社会経済に与えるダメージを考えると、持続可能なやり方ではないのは明らかなので、社会を動かしながら、医療の範囲内で抑え込めるということを目指していきたい。」
「感染者数が増えてきて、医療崩壊につながる可能性が出てくる…という状況になれば、外出自粛といった策も含めて考えたいと思います。移動だけで感染リスクになるとは思っていなくて、外に出て何をするかが重要です。」
と答えています。これまで医療のみならず、経済や統計学などの様々な視点から独自の検証を重ねてきたからこその重みがあります。この点は、東京都も見習わなければなりません。
一方で、第一波のときもそうでしたが、大阪はじめ全国への広がりは、東京から1週程度遅れて数の増加がみられるように思います。であれば、大阪でも感染拡大は止まらない状況が予想され、たちまち医療体制は厳しいものになると推察されます。どのタイミングで、行動自粛を呼び掛けていくのか、大阪の動きもよく見ていきたいと思います。
3.東京都からのお願い
おとといの小池知事の会見を読み解いていきますと、
- 医療提供体制、感染地域や年代の広がり状況から、外出を控えていただきたい。
- 外出する場合は、感染の予防・感染対策は万全にしていただきたい。
ということを前提にして、個別具体的には、
- ご高齢の方や基礎疾患のある方々は、重症化リスクが高いため、より一層の注意をお願いしたい。
- 若年層(10代~30代)は、無症状や軽症でも、感染を拡大させている恐れもあることから、うつさないよう行動してほしい。
といったお願いがされています。
事業者向けには、
- 感染拡大防止ガイドラインを守ったうえで、感染拡大防止協力店のステッカーを掲示して営業していただきたい。
- 異なるグループでの相席を避け、できるだけ間隔を空けていただく、もしくは、横並びの席にしてほしい。(パーテーションの設置も有効で、そのための補助金も出しています)
- 大皿の場合など、お店のスタッフ側で料理の取り分けをしてほしい。
- 十分な換気をしてほしい。
- テレワークを実施してほしい。
外出先での行動としては、
- ステッカーを貼っている、ガイドラインを遵守している店を選んでほしい。
- 店舗入口やトイレなどに置いてある消毒液の使用を徹底してほしい。
- 口に飲食物を運ぶ以外では、マスクをつけてほしい。
- お酌や回し飲み、同じ箸で一つのお皿をつつくようなことはしないでほしい。
その他のお願いとして、
- 40代、50代男性の中には、感染経路の調査に協力いただけていない方がいるので、協力してほしい。
→つまり、言えない理由があるわけですが、ご協力いただけないと、広く網をかける必要が出てしまい、結果的に多くの方を巻き込むことになってしまうわけです。
国や大阪府とは異なる判断がなされている背景にあるのは、医療体制への危機感です。
現在、新型コロナへの感染が発覚すると、無症状や軽症でも2週間程度の隔離がなされます。東京都では、患者の受け入れ先として、医療機関で2,000床、宿泊施設で2,000室を確保すべく動いていますが、毎日200人を超える感染者が判明している状況下では、すぐにあふれてしまうことは自明の理です。
このような状況を止めることができるのは、医療関係者ではなく、都民の皆様に他ならず、「感染しない・させない」ための行動を呼びかけるということになるわけです。
編集部より:この記事は、東京都議会議員、奥澤高広氏(町田市選出、無所属・東京みらい)のブログ2020年7月23日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおくざわ高広 公式ブログをご覧ください。