日本経済新聞に書かれていた、セブン-イレブン・ジャパンの1970年代からの歴史を見ると、同社が「常識へのチャレンジ」によって、新しいマーケットを開拓してきたことがわかります。
そもそも、1973年にイトーヨーカ堂グループが、日本にコンビニを導入しようと検討した際は、これからは大型店の時代で、パパママストアに勝てるわけがない、と冷ややかに見られていました。
1990年には、アメリカのセブン―イレブンが苦境に陥り、3000億円かけて逆買収することになりました。この時も、反対を押し切って、日本式の経営を導入して、再建に成功。
さらに、2000年代には金融事業に進出し、セブン銀行を作ります。この時も、素人が金融に参入してもうまくいくはずがないと見られていました。しかし、これも今や他の金融機関のATMを業務代行する程になり、定着しています。
2010年頃には、プライベートブランド(PB)を導入。これも、一味違うクオリティーで、今やセブン-イレブンを他のコンビニと差別化する大きな武器となっています。
このような、一貫した常識に対するチャレンジは、鈴木敏文氏という稀有な経営者の強いリーダーシップによって成し遂げられました。
鈴木氏がいなくなったセブン―イレブンは、果たしてこれからも今までのような常識へのチャレンジを続けられるのか。
セブン-イレブンは大きな岐路に立っていると思います。
私が、コンビニエンスストアの中でセブンイレブンに特別な感情を持っているのは、全てが「ちゃんとしている」ところにあります。
例えば、セブンプレミアムの他のコンビニのPBとの格差が歴然としていますし、わずか100円のコーヒーも味の違いは明らかです。
これからもコンビニの世界で「セブンか、それ以外か」という、ローランド並みの圧倒的な存在感を持ち続けて欲しい。そのためには、現状に安住することなく、常識に対するチャレンジを続けることが必要です。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年8月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。