こんにちは、東京都議会議員(町田市選出)
無所属 東京みらい おくざわ高広です。
先日からはじまった連休ですが、悲しい出来事が起きています。
悲しい出来事① クラスターフェス
「コロナはただの風邪」という主張を掲げて、東京都知事選挙にも出馬していた平塚氏が中心となり、「クラスターフェス」なるイベントが開催されています。さらに、昨日は集団でマスクを着用することなく、JR山手線に乗車して、1周するという行動を起こしています。
クラスターフェス大炎上、山手線ジャック敢行に「バイオテロ」の声(アゴラ)
私にはまったく理解できない行動であり、現時点で感染拡大を実際に引き起こしたのかは分からないものの、少なくともJRの営業を妨げており、多くの方々に不安を広げ、行動を制限していることは間違いありません。実際に、この時間帯の移動を取りやめた方もいるとのことです。
3月に、新型コロナに感染していると知りながら「ウイルスをばらまいてやる」と、飲食店を渡り歩いた方がいましたが、感染していても現在の法令では強制力をもった対応ができなかったと記憶しています。クラスターフェスでは、参加者が感染しているかどうかも分からないので、なおさら対策のうちようがないのでしょうが・・・
悲しい出来事② 玄関に「さっさと帰って」との貼り紙
墓参りなどのために東京から青森に帰省した方の自宅に、「さっさと帰って」などと書かれた貼り紙がされていたという悲しいニュースも流れてきました。帰省した方は、自主的に検査を受けたり、行動においても周囲に気を配っていたそうで、大変傷つかれたものと思います。
東京都の小池知事は、「特別な夏」として、帰省を控えてほしいとPRし、青森県知事は一律に帰省の自粛をお願いするものではないとし、政府は帰省する場合は高齢者等へ感染させない行動を要請しています。
こうした状況では、情報を受け取る側の解釈の幅が著しく大きくなります。都知事の帰省を控えてほしいというお願いを「帰省をするな」と受け取ることも、政府の高齢者等への感染をさせない配慮を「感染リスクの低い帰省は推奨」と受け取ることも、それぞれの受け取り方次第になってしまい、結果的に、考え方の相違による分断を生み出してしまう可能性もあるのではないかと考えます。
今必要なこと → 特措法の改正により、法的根拠に基づく対策を
こうした悲しい出来事が起きる背景を考えていくと、休業要請も外出自粛も、法的な根拠なく、「お願いベース」で対策が取られていることに行き着きます。東京都では、特措法改正をしない国に業を煮やして条例改正を行いましたが、あくまでも努力義務(罰則等はない)であり、その中身も感染拡大防止ステッカーに偏った内容です。また、専決処分で決まってしまったため、議会での質疑を通じて、中身を深めることも叶いませんでした。
もちろん都としてできることを考え、実行し続けていきますが、一定の強制力をもった対応を可能とする法改正も必要であり、いち早く国会での議論が開始されることを望むものです。
私は、できるだけ権利を制限することなく、それぞれがふさわしい行動をとることで新型コロナを乗り越えていきたい、その中で生まれてくる創意工夫や新しい暮らしのあり方を大切にしたいと思っています。しかし、こうした悲しい出来事が起き始めた今、様々な対策の根拠となり、一定の強制力を持った対策が打てるだけの法改正が必要になると考えるものです。
とはいえ、先日見ていたテレビの討論番組では、この法改正においても、互いの言い分を主張しあうだけの政治家の姿にがっかりしたのも確かです。必要かどうかすら答えずに、補償せよの一点張りの政党もありました。また、権限と財源を自治体に、という主張には私も完全に同意なのですが、果たして、自治体が連携した対応をできるのか、パフォーマンスに走ってはしまわないかと疑ってしまう自分がいることも確かです。
新型コロナは、今の政治や行政のシステムにも一石を投じることになっています。私も、目の前の対応に全力を尽くしつつ、根本的なところから見つめなおしていくことにします。
引き続き、ご意見をお寄せください。
編集部より:この記事は、東京都議会議員、奥澤高広氏(町田市選出、無所属・東京みらい)のブログ2020年8月9日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおくざわ高広 公式ブログをご覧ください。