なぜ人を殺してはいけないか?
これを理屈で理論的に説明する必要があるのだろうか? 人にはもちろん自分自身、つまり自殺も含まれる。
でも今回の事件で世の中には様々な考えがあるとわかった。
『自身の意思で死を選ぶのが何が悪い? 本人の意思を尊重するべきだ』
『あなたに彼女の何がわかるの?』
ああ、分からないですよ!
ALSでも24時間体制を自ら築き、SNSも使いこなす、賢く聡明であっただろう彼女がなぜ死という選択肢を選んだのか、私には分からないです。屈辱的というキーワードがTwitterに上がっていました。相性の合わない支援者もいたのかもしれません。でも彼女なら自薦ヘルパーなど他に手段はあったはずです。ケアマネと意見が合わないならセルフプランだって組めたはずです。
私が敢えてなぜ人を殺してはいけないかを言葉にするとしたら
- 取り返しがつかないから
- 現状回復不能だから
です。
死んだ人を生き返らせるのは
どれだけお金があっても
どんな名医を集めても
不可能です。
これは人に限ったことではありません。あらゆる生物共通です。
今の悩みが数年後には笑い話になることは、人生ままあります。
かくいう私も
つい2年前は毎晩のように妻から「身体も頭も動きを止めたい・楽になりたい(つまり死にたい)」と言われました。
とてもまだ笑い話には出来ません。
誰もが人生の中でもがき苦しむことはあるでしょう。
それは健常者も障害者も同じでしょう。
人並み以上と思われる『生き地獄』から生還した身から、改めて申し上げる。
死んだら終わりやん!
人は必ず死ぬんだから生を全うしろとか
あなたより厳しい境遇で生きてる人がいるとか
説教じみたことを言うつもりは毛頭ありません。
ただ
死んだら終わりやん!
生きてればワンチャン良いことあるかもよ!
少なくとも私は生き地獄から平穏に戻ったよ!
仕事もしてるしサッカー観戦にも行ってるよ!
子供たちのパパもやってるよ!
これを伝えたいだけです。
この記事は、株式会社まんまる笑店代表取締役社長、恩田聖敬氏(岐阜フットボールクラブ元社長)のブログ「ALSと共に生きる恩田聖敬のブログ」2020年8月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。