こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
お盆の中日となる本日も、日がな一日議員会館の自室に籠もってオンライン会議をやりつつ、政策のブラッシュアップに勤しんでいたところ、こんなニュースが流れていました。
国会議員には一人ひとりに議員会館で個室が与えられ、そこには秘書やスタッフが勤務しています。
その議員会館の室内で、議員による「違法喫煙」が常態化しているという内容です。これ、どうやって調べたんでしょう…秘書からのタレコミ…?
議員会館(自室)における喫煙は、以前は議員個人の判断に任されていましたが、受動喫煙防止を目的とする健康増進法が施行されてから明確に禁止・違法となっています。
「自分の部屋なんだから、タバコくらい吸うのは勝手だろう!」
という理屈なのかもしれませんが、そういうわけにはいきません。
なぜなら前述のように、議員会館の部屋は秘書やスタッフの勤務場所でもあり、明確な「受動喫煙被害者」が生まれるからです。
議員会館の間取りは2LK(?)の広めの作りで、議員個人が主に使う執務室も独立しているものの、扉を占めたところで煙の流出を完全に防ぐことはできないでしょう。議員に呼ばれれば、秘書は煙の中を室内に入って行かざるを得ません。
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上記の記事中にもあるように、国会の敷地内には80箇所もの喫煙所が設置されており、議員会館も各フロアに喫煙所があるという今の時代にはいたれりつくせりな設計です。
これは健康増進法の中で、屋内喫煙所設置も含めてすべての喫煙を不可とする「第一種施設」から、国会・地方議会はどういうわけか例外とされて「第二種施設」に分類されたからです。
イ 学校、病院、児童福祉施設その他の受動喫煙により健康を損なうおそれが高い者が主として利用する施設として政令で定めるもの
ロ 国及び地方公共団体の行政機関の庁舎(行政機関がその事務を処理するために使用する施設に限る。)六 第二種施設 多数の者が利用する施設のうち、第一種施設及び喫煙目的施設以外の施設をいう。
「第二種施設」というのは本来はホテルなどが想定されていたのに、「行政機関の庁舎」にわざわざ「その事務を処理するための使用する施設に限る」という注釈をつけて、国会や地方議会などの議決機関は別(第二種)だという法律内容にしたわけですね。
冒頭の北海道新聞の記事は日本禁煙学会の調査結果を元にしていると思われますが、同会の調査によると、国会のみならず都道府県議会の約半数で屋内喫煙所が設置されているようです。
これは北海道議会が新庁舎を立てる際に、大きな問題となって取り上げられました。
喫煙所への税投入を否定する知事に対して、JTからの寄付で無料で屋内喫煙所を作らせた「ウルトラC」は非常に生々しい展開だったと言えます。
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厚労省から最初に出てきた健康増進法案では、国会や地方議会も当初は「第一種施設」に分類されていたものの、いわゆる「タバコ族議員」からの猛反発で第二種に分類されたと言われています。
自分たちを甘々の例外処理しておいて、それでも喫煙所に行くというルールすら守れないというのであれば、やはり健康増進法は再び改正して行政機関の例外をなくし、国会・地方議会も喫煙所設置不可の第一種施設に分類するべきではないでしょうか。
治外法権となっている議員会館の室内については、各議員が申し合わせて巡回チェックをするなど、当面は自浄作用を働かせていくしかありません。
報道内容の真贋も含めて、現状をしっかり注視していきたいと思います。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2020年8月14日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。