今年も8月15日を迎えました。戦争終結から75年の節目に当たります。この日を終戦記念日(戦勝記念日)と称しているのは日本、英国、韓国(光復節)、北朝鮮(解放記念日)でアメリカ、カナダなどは降伏文書に調印した9月2日を対日戦勝記念日、ソ連、中国は9月3日としています。
あの頃を記憶としてお持ちの方も今85歳の方で10歳、90歳の方で15歳だったわけですからいよいよ語り部は少なくなります。この時期に前期昭和史をひも解くと感慨深いものがあります。なぜ、あんなことになったのだろうと一考するにはよいかもしれません。
では今週のつぶやきです。
ニッポンの株式市場
1週間で900円余り上昇した日経平均は何度も挑戦した23000円の壁を遂に抜け、6月9日の直近の高値の23185円も抜きました。抜いたといっても100円余りですからチャートの見方としては明白に抜けたとは言い切れておらず週前半の動きが注目されます。
なぜ、上がったかですが、私の見方は決算が思ったほど悪くなかった、そして6月以降、企業の月次で判断できるところは回復が見て取れるから、ということかと思います。NY市場も堅調で超低金利の長期化がお金の「座るところ」を変えているとみています。
日本の企業決算は濃淡がありますが、良好な決算をした企業は淡淡と仕事しており、マスコミもそれらの企業をさほど追いかけません。ニュースに出てくるのは巨額赤字を計上した企業決算ばかり。あれは本当に印象操作だと思います。
一方、先週位までメディアには「金」「ゴールド」が並び、まだまだ上がるとあれだけ掻き立てていたのに今週の急落で見向きもされなくなりました。私は何度か申し上げましたように金の価格は論理的な価格ではなく心理やバックアップとしての盛り上がりの価値なので妥当な価格は存在しません。
その時々のバロメーター的なものですからあまり深入りすることはお勧めしません。また盛り返すかもしれないし、お蔵入りになるかもしれません。それは誰にも分りません。ただ、バフェット氏が世界第二位の金採掘会社の株を大量に購入したニュースには驚きましたが。
イスラエルUAE国交回復 VS カマラハリス
今週、最大級のお題はこの二つの発表でした。トランプ大統領はイスラエルとUAEの国交回復が成功し、近く樹立されるとし、バイデン氏は副大統領候補にカマラ ハリス氏を選びました。ともに大統領選には大きな材料となる話題です。それぞれ十分な話題なのでいつかじっくり取り組みたいテーマでですが、短くコメントを述べます。
トランプ氏は両国の国交樹立を良いタイミングで発表したと思います。そして水と油のような関係の中で中和剤にイランを挟んだところが味噌でした。両国の国交回復は時間の問題と言われながら最後に背中を押したのが共通の敵だったわけです。これはトランプ氏のポイントゲットになりそうです。
一方、カマラハリス氏を選んだバイデン氏は賭けに出たように思えます。彼女のバックグラウンドという意味ではなく、バイデン氏が大統領になって途中で執務継続が困難になった際の大統領という意味であります。
アメリカの歴史で任期途中で副大統領が大統領になったケースは多く、高齢のバイデン氏も当然それが視野に入っています。ということはバイデン氏を推す人たちはハリス氏が大統領になるかもしれないことを含み置く必要があります。
個人的にはキャリアが足りない気がします。弁護士資格をもち、カリフォルニア州で州司法長官、2016年に上院議員となっていますが、経済、外交は全く触っていません。コロナ禍の経済政策と中国絡みの外交は大統領選の最重要テーマとなるはずでテレビ討論会で勝ち抜けるかがポイントになりそうです。
暑い夏、なんで皆さんスーツを着る?
ニュース画面に連日映し出される暑い夏。汗をふきふき、外を廻るスーツ姿の企業戦士を見るとスーツを止めるという発想がなぜでないのか、不思議なのです。暑いのならそんな汗のしみ込んだスーツ姿を見る方が顧客にとっては不快という発想はないのでしょうか?日本の不思議の一つとは「それが決められているから」「昔からそうだから」それを続けるという考え方で習わし、伝統と同じ括りになります。
私の住むウエストコースとはそもそもカジュアルで北米の東部とは確かに違うのですが、それにしてもスーツを着ている相手とやり取りしたことはいつだったか思い出せないぐらいはるか昔です。街を歩いていてもスーツが制服となっているようなホテルなどホスピタリティ系の方ぐらいで銀行も会計士も弁護士もみなカジュアルそのもの。だけどパリッと洗ったポロシャツや開襟シャツなら全く違和感ありません。
日本の夏が暑くなったのは昨日今日の話ではない中、気候変動にライフスタイルや仕事の在り方をどう変化させるのか、大いに取り込んでもらいたいと思うのです。夏はオンライン営業、書類はEmailで処理、配達などの業務はなるべく涼しい早朝にシフトするといったアイディアは浮かんでくると思うのですが、大企業ほど「顧客の都合」という理由を盾に社員を苦しめるのです。暑いのだからもっと柔軟になってもよいのではないか、つまり、頑ななルールにもっとフレキシビリティを。これは頭が凝り固まっていないおじさんからの提言です。
後記
海外の日系社会ではコロナが世代交代を促しています。日本からの移民は何度かピークがあり、古い移民層の方々は現在70代半ばに差し掛かり、次が私たちの50代半ばから後半組、次が40代後半でしょうか?世代交代と共に日系社会の枠組みが大きく変化し、社会のバトンが繋げなくなっています。そして若い世代はバトンを拒否します。私は今、この困難な問題に取り組んでいます。薄くなる海外の日系社会のきずなと架け橋づくり、大きなテーマです。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年8月15日の記事より転載させていただきました。