先日、政府の新型コロナウイルス対策に助言する有識者会議「新型コロナウイルス感染症対策分科会」が開かれました。
日本全体として、「第2波」とも言われる現在の流行は7月末がピークとみられ、新規感染者数は緩やかに減少しているとの見解が示されました。ですから、これから少しずつ感染者数が減っていくということになります。ところがピークは越えたとしつつも、感染者の減少については現時点ではわからない、再拡大しないよう、引き続き警戒が必要だとも言っています。さらに、8月末まで規制されているイベントの参加人数上限(5000人)を緩和するかどうかの判断について注目が集まりました。結果は、9月末までの1カ月延長が決まりました。昨今、ニュースなどで報じられているプロ野球やJリーグなどの映像が流れていますけれども、あのスポーツ観戦者は5000人までしか入場できていないんですね。
さらに、分科会では、1~5月までを「第1波」、6月以降を「第2波」とし、致死率は「第1波」が6.0%だったのに対し、「第2波」が4.7%だったことも報告されました。年代別に見ると、50代、60代の致死率は第1波が2.8%、第2波が3.1%、70代以上の致死率は、第1波の際が25.1%、第2波が25.9%とほとんど変わっていなかっただったそうです。ですから、40代以下の感染者数が下がり、さらに致死率が下がったことが全体を押し下げたと考えられます。
この新型コロナは、今や誰がかかっても不思議ではない状態です。
そこで気になるのは、どんな人が危険なのかということです。
人工呼吸器をつけたり、また死に至ったりなどの重症化リスクは、女性よりも男性の方が、そのリスクは2.8倍もあるそうです。また当初から言われていましたが、持病がある人はやはりリスクが高くなることははっきりしています。その重症化リスク、例えば高尿酸血症の人は3.2倍、慢性肺疾患の人は2.7倍、糖尿の人は2.5倍、脂質異常症の人は2.1倍となっています。こうした数値から、持病のある人はよくよく注意が必要ですね。一概には言えませんが、やはり太り気味の人は重症化率が高いということでもあります。
さて、今年になって中国武漢発のこの新型コロナウイルスの感染が始まってから現段階までを「第1波」と「第2波」に分けているのですが、今後、この暑い夏が終わって秋になり冬になると、また感染拡大してしまうかもしれません。スペイン風邪など過去の感染症の歴史を見てみると、その時こそ本当の意味での第2波になります。
世界各国は対策に手を焼いているわけで、都市封鎖をしたり、しなかったり、あるいは遅れたり、さらにはそういうことを一切しなかった国もあります。結果論としてここまでの政策の善し悪しを語ることは誰にでもできます。しかし、今後どうなるかについては誰にもわかりません。ですから、引き続きマスクを着用し、手を洗い、三蜜を避けることを一人一人が心がけることが重要になります。
以前このブログではお伝えしましたが、相変わらずメディアでは触れられていないことが一つあります。
それは、目や鼻や口を手で触らないということが物凄く重要なんです。なぜなら、手にコロナウイルスが付着したとしても、それだけで感染することはありません。感染するには、目や鼻や口を触るからなんです。
ですから、もう触っちゃ駄目。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年8月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。