全世界の人口の25〜30%の人、人口にすると5〜6億人が感染したとも言われます。死亡者も4000〜5000万人、1億人という説もあります。
日本では3度の大流行がありました。当時の内務省衛生局によれば、第1波は大正7年(1918年)8月から翌年の7月にかけて、第2波は大正8年(1919年)9月から翌年の7月にかけて、第3波は大正9年(1920年)8月から翌年の7月までです。合計すると、日本全体で2380万人以上の人が完成し、約39万人の人が死亡したことになります。
第1波に比べて、第2波の感染者数は約10分の1にも関わらず、死亡した人は、第2波では12万人を超えたので、致死率では第1波の1.22%から、第2波は5.29%に跳ね上がっています。第2波では、感染者が100人いれば、実に5人以上が死亡している事になります。
スペイン風邪は当時、第1次世界大戦中だった軍隊でも感染が広がりました。軍隊は、まさに三密の組織と、それによって第1次世界大戦の終結が早まったとも言われています。当時は抗生物質のワクチンもありませんから、患者の隔離、学校の閉鎖や集会の禁止、そして手洗いやマスクで感染拡大を食い止めるしかありませんでした。
日本人の手洗いやマスク着用の習慣は、スペイン風邪のときの経験からではないかと考えられています。
編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年9月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。