国内では第二波の感染者数も峠を越したようにも見え、死亡者も少ないことから、新型コロナウイルスの感染も収まってきたような気がするが、グローバルに見ると、新規感染者はプラトー状態。
ピークを過ぎて収束に向かっているように見える国もあれば、日々増加している国もあって、地球全体でみればコロナの真っ盛りというのが現状のようだ。人口の大きな国もあれば小さな国もあるので、これはこれで正しいのだが感染状況を正しく認識するためにはノーマライズする必要がある。
札幌医科大学医学部 附属フロンティア医学研究所 ゲノム医科学部門の方のHPに、いくつかのサンプル国の100万人当たりの死亡者数を示した図が新設されていたのでそれを拝借したのが下図。
南北アメリカと西欧が10万人当たりでは、現在50-60人と世界平均の11人を大幅に上回り、圧倒的な感染大国であることが分かる。
一方日本は1.1人と世界平均の十分の一。明らかに、欧米やアメリカとは同じ新型コロナウイルス感染症といっても深刻度は50倍も異なり、むしろ別の病気と認識すべきだろう。
さて、日本の新型コロナによる死亡率、10万人当たり1.1人というのは、国内の他の死因と比べてどのような位置づけにあるのか、というのが今日のテーマ。
厚生労働省が「人口動態統計月報年計」という膨大な資料を公開している。その表6に10万人当たりの死因別死亡者数が記されているので、それを加工したのが下図。
死因が約20項目に大分類され、さらに中分類、項目によってさらに小分類に分けて詳細に示されている。癌による死亡者が大項目では圧倒的で中項目の数も多いが、図が煩雑になるので省いた。図にはこの統計に新型コロナウイルス感染症の1.1人を加えた。
コロナによる死者は今後も増え続けるだろうが、某大学教授の予想するようなことはありえないので、全体の傾向を見るに全く問題はないだろう。コロナを死因とする死亡者が、日本人の死因において圧倒的に少ないことが一目瞭然である。
図ではわかりにくいのでいくつか実態を記す。まず病気以外の死因。意外に多い不慮の窒息という状況は想像しがたいがそう記されている。いずれにせよ、コロナで死亡する人の何倍もの人が事故で死んでいるのが実態。
年ごとに多少の変動はあるだろうが、コロナで死ぬことを心配すならその10倍自殺する心配をした方が良い。
- 自殺 16.1人
- 転倒・転落・墜落: 7.8人
- 不慮の窒息: 7.1人
- 不慮の溺死及び溺水: 6.5人
- 交通事故: 3.7人
次に感染症。今後コロナによる死亡者が増えたとしても、少なくとも2年前のインフルエンザによる死亡者の半分程度だろう。結核による死亡者数にも達することはなさそう。
- インフルエンザ: 2.7人
- ウイルス性肝炎: 2.5人
- 腸管感染症: 1.9人
- 結核: 1.8人
その他の病気。
- 糸球体疾患及び腎尿細管間質性疾患: 3.8人
- 脊髄性筋萎縮症及び関連症候群: 2.0人
現在の日本ではほとんどの国民がマスクを着用し、ソーシャルディスタンスとかフェイスガードとか、アクリル板や透明シートなど、感染防止効果の怪しい意味不明の行動が常態化している。
現実を直視すればまるで狂気の世界。コロナを恐れるなら、糸球体疾患及び腎尿細管間質性疾患や脊髄性筋萎縮症及び関連症候群を恐れた方がよほど理にかなってる。
加藤完司(元フェロー、エンジニア)理工学部大学院卒、