またも公選法のバグ?略称が同じ政党が認められ、2つの「民主党」が爆誕している件

音喜多 駿

こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。

4連休の最終日、こんなニュースが流れており目を疑いました。

立憲、国民の政党略称 いずれも「民主党」 – 毎日新聞

新たに結党された(らしい)立憲民主党・国民民主党の双方が、次期衆議院選挙における政党名の略称をともに「民主党」として総務省に届け出たとのこと。

これNGかと思いきや公選法上は併存可能とのことで、知らなかったので(そんなことをやる政党があるとは思わなかったので)私は衝撃を受けました。

いや、そんなのありえます?法律上は可能だからって、公党がやりますか??

この場合、衆議院選挙の比例代表(2枚目の投票用紙)に「民主党」と有権者が書いた場合、その票は2党によって「案分」されるそうです。

案分とは、疑問票以外の元の得票数に応じて配分される方式のため、単純に二分の一で分けられるわけではありません。

例えば

立憲民主党:100万票
国民民主党:50万票
民主党:3万票

という結果だったとすると、立憲:国民の2:1の得票割合に民主党票が分けられます。(立憲→2万票、国民→1万票を獲得)

なので、例えば選挙制度のハックが得意なN国党のような政党が略称を「民主党」にしたとしても、濡れ手で粟と言わんばかりに大量得票ができるわけではありません。

しかし、(絶対にやらないでしょうけど)仮に自由民主党が略称を「民主党」と届け出たらどうでしょうか。

比例代表で最大得票を見込まれるのは自由民主党ですから、「民主党」と書かれた票の多くを獲得できることになり、やはりこの「併存可能」とされる現行法には問題があると言わざるを得ません。

いずれはこの不備も立法府として取り上げていかなければなりませんが、公選法を作った当時、まさかわざわざ同じ略称で届け出する政党が出るなんてことは想定しなかったのでしょう。

だって理念や政策が違うから別の政党として異なる名前を名乗っているのであり、普通に考えればプライドと有権者への信頼にかけて混同なんてされたくないからです。

しかし今回、2つの民主党はあえてそれをやってきた。別れたのに未練がましく関係をつなぎ、有権者を困惑させるような行為を平然と実行する。

首班指名でも一緒に立憲代表の名前を書いていますし、もう共産党も含めて早く一緒になればの一言です。

所属議員や支持者も、本当にこんなことを許して良いのか?と思います。

ますますこのようなビジネス野党では政権交代などできるはずがないと思いますし、「他よりマシ」と自民党への支持が集まる理由も理解できます。

国会にもう一つの選択肢を作れるように我々が頑張らなければいけないと改めて誓い、政策提言と党勢拡大に邁進をしてまいります。

それでは、また明日。


編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2020年9月22日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。