テレワークを導入すべき会社、導入してはいけない会社

日本経済新聞にテレワークに関する社長100人アンケートが掲載されています(図表も同紙から)。

(日本経済新聞から)

(日本経済新聞から)

テレワークによる生産性の向上に関しては「変わらない」と答えた経営者が54.6%。その一方、上がると回答した経営者は20%、そして下がるは8.5%でした。日本の企業では、テレワークが必ずしも生産性向上につながっていないことがわかります。

また、社員間のコミニケーションや、従業員の管理はやりにくくなったという意見が、過半数を占めています。企業経営の基本であるチームワークやマネジメントにはテレワークはマイナスということです。

テレワークのメリットがはっきりと出たのは経費削減です。58.1%の企業が経費削減できたとしています。通勤定期の廃止や、オフィススペースの縮小がメリットになっています。労働時間についても、27.3%の企業が減っているようです。

テレワークを100%否定はしませんが、この結果を見る限り、日本企業の仕事の進め方、社員の意識にはテレワークはあまりフィットしないようです。

確かに、私の周りにいる会社員の話を聞いても、テレワークだから昼からジムに行ける、テレワークの会議をしながら家で料理を作っているというように、社員が都合良く自分の時間を作るのに利用する話をよく耳にします。

こんな社員がいる会社がこのままテレワークを続ければ、生産性はさらに落ちて、弊害の方が大きくなる懸念があると思います。

もちろん、テレワークを上手に導入し、生産性向上に役立てている会社もたくさんあります。

私も顧問税理士との月次の打ち合わせは、対面からズームミーティングに切り替えましたが、問題なくコミュニケーション出来ています。仕事の範囲が明確で、成果がわかりやすいので、会わなくてもクリアに仕事が進むのです。

テレワークは、仕事の内容によっては生産性向上にメリットがあるが、やらない方が良い会社も多い。これが、私の今のところの結論です。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年9月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。