小学校で習う「集合」が分からない人が世の中に多すぎる件!!

永江 一石

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いつも書いているのだが、コロナ禍によって、日本には小学校で習う確率や割合が理解できない人が相当数いることに気がついたと思う。例えばどうせ店内でマスクを外すのに店にはいるときにマスクを強要する飲食店とかです。

どうせ食べるときは喋ったりしてマスクを外すのに、店内に入るときにする意味がどこにあるのか。そう言うと必ず「万が一クラスターが店内で起きるとおしまいだからしかたない」という人がいるが、万が一のクラスターを心配するならそもそも飲食店は止めた方がいいと思う。それより店に入るまでマスクというおまじないのような謎ルールでその店に来なくなる客はおそらく100%存在するわけで(わたしが生きた証拠)、その確率のほうがよほど高いだろう。

で、そもそも今の日本で陽性の人がうろうろしている確率って計算してみたらわかるがせいぜい0.00001%程度。これは年末ジャンボで1等5億円が当たるのと同じ確率です。ww 年末ジャンボで一等引いたらどうしようと心配するより、お得意さんが何人も来なくなることの比較ができないわけです。

写真AC:編集部

そしてまた、「集合」「命題」が分からない人も、コロナ脳はじめ多数いることが分かってきました。本日はいくつかの例を挙げて

母数をいかに間違えないか

で、人生を明るく生きていけるかを解説します。ひと言で言うと

母数を疑え!!ベン図を描け!!

ということになります。小学生に戻るんや。わかったか。
こういうのやってからコロナの後遺症ガーとか言えといつも思う。同時にクソリプも減ると思う。

 

メルカリの広告が理解できない人がいる件

メルカリの「売れたものの半数以上が24時間以内に売れています」というキャッチコピーを「24時間以内に半数売れる」という解釈してはいけない

いや〜、そんな人いるんだ・・・・・。
こういう時はベン図をおこします。分からない人はその癖を付けよう。

こういうことですよね。そもそも、「出品全体の中に売れた商品があり、そのうち半分が24時間以内に売れた」ということ。
しかしどうも誤解する人たちは

こういう風に脳内変換されてしまうようだ。全体の中に「売れた商品」があるのではなく、売れた商品は「24時間以内に売れたもの」と「24時間以内に売れなかったもの」に2種類が何の関係もなく存在すると考えるようだ。しかし

出品全体>売れたもの>24時間以内で売れたもの

であり、ベン図が描ければ理解できるのである。同様に「空き屋の半分が賃貸住宅である」というと、「賃貸住宅の半分が空き屋である」と理解するバカが多数いるとかで、これは


このベン図が書けない人です。

これをわかってない人にTwitterで絡まれると異様にやっかい。ビジネスのシーンでも会議でこれがわかってない人が発言すると周囲からかなり引かれていると思う。SNSで他人に議論をふっかけたい人はまずは最低限、これくらいは勉強してからにして欲しい。アホくさくて対応できなくなります。

コロナですべての感染者に後遺症が80%?!

これを信じてわめき散らしているコロナ脳がとても多いです。

この元ネタの報道はたとえば

COVID-19でみられる後遺症は?/JAMA

です。

イタリア・ローマの大学病院Agostino Gemelli University PoliclinicのAngelo Carfi氏ら研究グループは、COVID-19回復後に退院した患者の持続的な症状について追跡調査を行った。その結果、COVID-19発症から約2ヵ月の時点においても87.4%の患者が何らかの症状があることがわかった。

という報道ですが、これを

コロナに罹ったら無症状でも軽症でも80%が後遺症が残る

と信じてわたしに食らいついてくる人がけっこうおります。
しかしこの記事をよく読むと

1 医療崩壊したイタリアのローマの話
2 事例の母数はたったの143例で単一施設
3 入院患者が退院して2ヶ月の話

となっています。まず単一の病院で元の母数は入院患者です。数も少なすぎてバイアスがかかりすぎて通常は統計としては無意味です。その病院が重症専門なら根底から覆ってしまう(実際、そうらしい)。

そして、日本のようにコロナが指定感染症で無症状でも軽症でも全部入院させたのとは違い、医療崩壊したイタリアでは「高齢の患者は年下の患者が入ってくると人工呼吸器を外されて交代した」と再三、報道されていたように、重症が数千単位でいたわけで、日本のように300人とかそんなわけがない。イタリアのピーク時は毎日900人以上死んでいた。日本は累計で1500人です。

そもそも軽症や無症状がホイホイ入院できたわけがない

という前提なんですよ。おそらくかなり重症でないと入院させてもらっていないはずだ。
そうしますと、コロナの場合、無症状と軽症で8割以上(あとで検査数を増やしたので日本はもっとずっと少なくなってせいぜい5%程度になってます)と言われているのでベン図にしますとこんな感じになります。

仮に本当に重症患者の8割に後遺症(2ヶ月なのでほとんどは完治していないだけの予後と思われるが)があるとしても日本の場合ならそもそも全世代の累計死者の8割超が70歳以上の基礎疾患ありの方で重症者もそれに準じるだろう。NHKの報道では重症になった人の2割程度に支障があり、その多くは「認知症が進んだ」「筋力が衰えた」と言っていたが、それって高齢の入院患者が長期寝込んだら誰でもなるんじゃないの的なものであった。

だから日本で働き盛りや子供が重症になって後遺症まで残るとなると、ほぼ天文学的に低い確率。ゼロではないがそんなことを怖がるのならそもそも外出したり運転はしない方が良い。だって

公益財団法人の交通事故総合分析センターによれば、2015年の交通事故発生件数は53万6,899件。亡くなった人は4,117人、負傷した人は66万6,023人で、合計すると死傷者数は67万140人。この数字は、総務省統計局による2016年12月1日現在の日本の人口推計値である1億2,692万人の0.528%にあたる。2015年時点での日本人の平均寿命は83.7歳。ここからざっくり計算すると

一生のうちに交通事故に遭う確率は、約35.8%

ということになるからだ。交通事故は非常に高い確率で後遺症や障がいが残るから、これが怖いのなら一生、外に出られないし運転もできない。

ここまで書いてくると「いや、自分は大丈夫」という人がいると思うが、試しにこの問題をベン図を描いて解いてみて欲しい。

この問題をベン図を描いて考えられないのならかなり重症です。
こうやって計算するんだけどできたかな。

できない場合は上に戻ってオススメの図書を読んでからSNSの海にこぎ出して欲しいと思います。
だってわかんない人を相手にするの、まじでウザいんだもん。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2020年9月28日の記事より転載させていただきました。