こんにちは、音喜多駿(参議院議員 / 東京都選出)です。
東京でも大阪都構想・住民投票を後押しするため、コツコツと活動をしております。
そうした中、菅内閣による行政改革にまたも大きな進展がありました。
完全に行政内部の改革で、皆さまの生活とは当面直結するような内容ではないのですが、これはけっこう凄いことです。
「青枠」とは、閣議書類などの文書を作成する時に、「日本国政府」と記された青枠様式を使うことです。
青い枠とそこに印刷される文字との間隔を厳密に5mmにすることなどが求められ、印刷後に定規で間隔を測ることなどが行われ、そうした作業が大きな負担となっていました。
「こより綴じ」は、文書を製本する際に、ホチキスではなく、文書にキリで穴を開け、こよりを用いて綴じることで、これも長い間行われてきました。
こうした長年の慣行が、事務の効率化を妨げていました。
今回、こうした慣行を廃止すると共に、閣議請議大臣の公印押印も廃止しました。
(上記ブログ記事より抜粋、強調筆者)
この不毛な作業に官僚の皆さまの多大なる時間が取られ、行政機構の生産性を著しく下げてきました。
2ミリずれただけでやり直し、深夜残業なんてことが平然と発生していたようです…。
元官僚・現役官僚の皆さまも驚くべき変化。こうした政治パワーの発揮については私たちも率直に評価・応援をしていきたいところです。
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さて、実はここで私が注目しているポイントが一つありまして、「公文書のデジタル化」との関連です。
「青枠」の仕様は完全に権威付け・慣習なんだろうなと思う反面、一部の公文書への「こより綴じ」については実は多少納得できる理由がありました。
それは「文書保存」という観点です。
ホチキスなどで止めた資料はその部分から錆びるなどの劣化が始まり、数十年・100年以上の保存に耐えられない恐れがあると言われています。
文書を長く・質を高く保存するためには「こより綴じ」は最適な方法の一つとされており、それだけ重要な書類を残すのだ!という意志の現れだったと好意的な解釈もできたわけですね。
参考記事:
どうしてホチキスを使っちゃダメなの?公文書が「キリで穴を開けて紐で綴って」保管される理由とは
でも、この理由もすでに過去のものですよね。そう、現代の技術なら公文書はすべてデジタル保管ができるからです。
もちろんデジタル保管とて完璧なものではありませんので、複数のバックアップを取るなどの対応は必要になるものの、こより綴じをして紙で積んでおくより遥かに効率的&安全な半永久保存が可能となっています。
当然、河野大臣はこうした「こより綴じ」の特性も知った上で廃止を決断したからには、これは「公文書の総デジタル化」への決意の現れではないかと思うのです。
参考過去記事:公文書は捨てちゃダメ!!総デジタル化✕永久保存✕公文書館の強化を急げ
かねてから何度も公文書の総デジタル化・永久保存については提言をしてきておりますが、この質問をした当時の最新データで我が国の公文書のデジタル化率はたったの約6%と、諸外国に比べても大きく遅れを取っています。
ぜひ河野太郎行革大臣&平井卓也デジタル担当大臣のタッグで、こうした状況にも一石を投じていただくことを期待するとともに、私からも強く提言を続けて参ります。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2020年10月16日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。