今週のつぶやき:青色吐息のトランプ、国産ジェット、石破茂氏

海外に住む日本人には朗報がありそうです。政府が滞在期間72時間以内の滞在に限り、入国制限を緩和する報道が各紙から流れていますが、その中で日経が「日本人の帰国時の条件も緩める。海外出張から帰国・再入国した日本人や在留資格を持つ外国人を対象に、日本に戻った後の2週間の待機措置を免除する」と報じています。

世界各国からも14日間の隔離について緩和、ないし緩和実験が報じられつつあります。カナダもカルガリー空港で11月2日から隔離を48時間に短縮する実験を始める予定です。2021年に向けて少し明るさが見えてくるということでしょうか?

では今週のつぶやきをお届けします。

トランプ大統領の青色吐息

ホワイトハウス公式サイトより:編集部

22日に行われたトランプ氏とバイデン氏の直接討論会最終戦。思わず見入ってしまいました。個人的感想を述べると大統領としての資質はどっちもどっちという気がします。トランプ氏が4年間、ある意味、常識破りをやりながらもアメリカの進むべき道を模索してきた一方、バイデン氏はそっくりそれを元に戻すようなスタンスであります。私から見れば「時計の針を4年前に戻すのかい?」と聞いてみたくなります。

この討論会のメディアでの評価は悪くなかったようですがすでに郵便で投票を済ませた人も多い中でサプライズが起きない限り、トランプ氏の巻き返しは難しいのかもしれません。個人的にはトランプ氏の粗削りながらも変えようとする姿勢は嫌ではありません。コロナ対策において22万人が亡くなったことがトランプ氏の失策だったのかについては死亡数だけを捉えるのはバランス的に正しくない議論ではないかと思っています。

レストランはプラスティックの仕切りを付ければいいじゃないか、というバイデン氏に対しトランプ氏が「あれは値段が高いんだ。どの経営者も付けられるわけじゃない」と言った点は私は同意します。バイデン氏は概ね理想論的であり、政策の面白さ、将来性、アメリカの魅力の引き出し方において妙味がないと思います。オバマさんのようなトークのうまさもなく、強いリーダーシップがバイデン氏に本当に備わっているのか私には疑わしいのですが、このブログで再三予想してきたように大統領交代の可能性はかなり高いと思います。

全日空と三菱ジェットの青色吐息

jp3exe/写真AC:編集部

全日空の決算が5000億円以上の赤字になりそうだと報じられました。リーマンショックの際に記録した赤字幅の10倍近い巨額なものとなり、その衝撃は一企業のレベルではなくなっています。常識的に見れば政府、銀行を含めた支援取り組み対象なのでしょう。ただ、先日もお伝えしたようにコロナでの影響は全ての産業に広がっているわけで特定企業の救済は難しくなります。冒頭の外国人の受け入れ措置も航空会社救済の間接的支援が当然内包しているとみています。

全日空はリストラプランに古い機材などを中心に手持ち航空機を減らすことが入っています。それもあり、今後新規の航空機発注のペースも見直しが必至であります。全日空の機材計画から既に落ちているかもしれませんが、意識しているであろう三菱ジェットについても当然先行き不透明感が強まっていました。三菱としては「飛べないジェット」がついには「売れないジェット」にさらに格下げになるわけでいくら何でももうこのプロジェクトに固執できないというところになったのでしょう。残念ながら開発凍結となりそうです。

三菱ジェットについても過去、何度か取り上げてきた話です。これは三菱の能力の問題が最大のポイントだったと思います。同じころに同じような開発を始めたブラジルのエンブラエル社は2018年に既に完成させて飛ばしています。悲しすぎる話です。全日空については来週の決算発表を待ちたいと思いますが、コロナによる影響と先行きが見えない中、綱渡り経営に近い状態になってきているように見受けられます。正念場に差し掛かっています。

石破茂氏の青色吐息

本人ツイッターより:編集部

総裁選のけじめとして自民党内の石破派(水月会)の会長を辞任しました。結論を出すまでにずいぶん時間がかかったと思いますし、寝ないで考えたという辞任表明の文書というのもあまり評価されない気がします。一言でいえばすべてが遅すぎる、時間かかりすぎるということかと思います。しゃべるスピードも確かに遅いので敢えて言うなら安倍政権の陰にいる間にすっかり出遅れてしまったのかもしれません。

そもそも石破派は2015年にできた新興派閥。自民党内の他の派閥が自民党発足時からの歴史を繋いでいることを考えるとある意味、異質な派閥であったと思います。会派所属の19名。これがよく見ると男性議員しかいないのです。石破さんは女性に人気があったのかと思いきや、会派に入って慕われるという点では女性がいなかったということになります。会派が分裂するのか、解散するのかわかりませんが、石破さんにとっては悔しい思いをしていることでしょう。

ただ、同様なのが岸田文雄氏。無任所になり出版で注目を集めようと躍起ですが、求心力は石破氏同様、危機的状況にあります。日本の社会ではアメリカのように「復活劇」が起きにくい土壌があり、勝ち馬に乗るか、振り落とされるかのどちらかという厳しい社会に見えます。次の選挙は当然ながら活躍ぶりが目に見える閣僚を中心とした選択肢になる気がします。女性首相候補の筆頭である野田聖子氏は幹事長代行ですが二階さんの陰に隠れてしまっている気がしますし、稲田朋美氏に於いては無任所です。政治の世界は当選してからも厳しいと改めて実感します。

後記

アメリカで人気番組になっているのが「Sing On!」。ネットフリックスでも放映されており、各国バージョンも増えてきています。素人6人が毎回のテーマに沿って歌い、カラオケで出てくる例の音程バー通りに歌うのを競います。その中にはいくつもの仕掛けがあって最近はまっています。日本にも素人カラオケ番組は過去から含めたくさんありますが、なぜこのような面白い番組に仕立て上げられないのか不思議です。この番組は本当に面白いです。日本語字幕出ます。騙されたと思って是非どうぞ。

では今日はこのぐらいで。


編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2020年10月24日の記事より転載させていただきました。