先月、児童生徒へのわいせつ行為などで懲戒免職され教員免許を失った教員について、処分歴などの閲覧期間を現行過去3年から40年に延ばすことが政府により発表されました、
わいせつ教員処分歴の閲覧、3年から40年に延長 文科省(産経新聞)
政府を動かしたのは、時に心が折れそうになったに違いない被害者とその保護者の根気強い働きかけの賜物であったといって過言ではないでしょう。
わいせつ教員の免許再交付、やめて 保護者ら5万人署名(朝日新聞)
子どもの命、健康、人生、心身の人権を守ることはお姐にとって、ど真ん中の政策であります。学校現場で発生し続ける教員による「不適切指導」と最も闘っている女性地方議員と言っても過言ではございませぬ。よって、文書質問や独自調査にて定点観測を地道に続けておりましたので、耳目が集まっていることから、東京都の「わいせつ教員」についてご報告させて頂きたいと思います。
【東京都教職員の懲戒及び免職(クビ)処分の実態】
まず、過去3か年の懲戒処分(早く言えば、給料カットや口頭注意等クビではない処分)の件数と学校種別内訳は以下の通りでございます。
★懲戒処分対象事故の主な内容とその件数★
●平成28年度
わいせつ行為等25件
体罰42件
教科書発行業者との不適切な接触等22件
通勤手当の不正受給等14件
●平成29年度
わいせつ行為等17件
体罰22件
個人情報の不適切な取扱い13件 通勤手当の不正受給9件
●平成30年度
わいせつ行為等30件
体罰16件
個人情報の不適切な取扱い12件
通勤手当の不正受給13件
★過去3か年の懲戒免職処分(早く言えばクビ!!)の件数と学校種別内訳★
懲戒免職処分対象事故の主な内容とその件数は…
●平成28年度
わいせつ行為等16件
窃盗3件
●平成29年度
わいせつ行為等9件
窃盗3件
●平成30年度
わいせつ行為等21件
窃盗5件
★教育職員免許状の失効・取上げ件数★
平成26年度 失効14件 取上げ2件
平成27年度 失効18件 取上げ3件
平成28年度 失効18件 取上げ5件
平成29年度 失効16件
平成30年度 失効30件 取上げ2件
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とんでもない数字に児童生徒の皆さん、保護者の皆様、都民の皆様はたまげていると思います。
そもそも「わいせつ行為」で減給や注意で終わるのとクビになるものと別れていることが不思議でなりません。「わいせつ」やったら一発でクビ&免許はく奪、一生学校に戻すな!!が市民感情であろうし、何より子どもを守る一里塚ではありませんか?
一体だれがどうやって、クビの「わいせつ」、説教で終わる「わいせつ」を決めているのか?!
これら処分の根拠となるルールがなかなか都民は預かりしらぬところでありましたが、
「東京都教育委員会では、教職員による体罰、わいせつ行為等の非行に対しては、学校教育の信頼を失わせる行為として、懲戒処分をもって厳正に対応してきました。しかし残念ながらこうした非行は後を絶たず、その数は年々増加の一途をたどっています。
こうした状況を踏まえ、教職員の更なる自覚を促し、服務規律の徹底を図るため、このたび、多くの非行事例に対応した処分量定を示すとともに、処分量定の決定や加重する際の考え方を明らかにしました。」
と、以下で「情報公開」しております。
教職員の主な非行に対する標準的な処分量定
が、
「強制わいせつ、児童ポルノの製造・所持・提供等、公然わいせつ、住居侵入(わいせつ等目的)、のぞき、下着窃盗、痴漢行為・盗撮等の迷惑防止条例違反、青少年健全育成条例違反、ストーカー行為等の規制等に関する法律違反等(未遂を含む。)を行った場合」
にようやくクビになるわけで、これって当たり前やろ…って話で、児童生徒が「わいせつ」だとわからない場合や、ここまで極端ではなくLINEでシツコクくどく、性的な画像を送るなどは、グレーな「裁量権」に委ねられているのが実態です。
【独自】懲戒処分のわいせつ教員、半数がSNS悪用…教え子を誘う・好意伝える(読売新聞)
性的描写メール40通送付→停職1年
生活指導とLINEして呼び出し抱きつく→停職3ヶ月
軽過ぎです。児童生徒を性的対象とし、SNS含め行動を起こした時点で懲戒免職にすべきではないでしょうか。
国民感情も高まっている中
わいせつ教員、原則懲戒免職に 全国の教委で規定化へ(日経新聞)
このような動きが政府でも出てきていることから「一発アウト」にしていく組織体制が急がれます。
【懲戒免職わいせつ教員のデータベース共有を】
「わいせつ教員」をホントにちゃんと「クビ」にしてくれて、二度と教室に戻らないようにするためには、都道府県教育委員会等行政間の、徹底した「わいせつ教員データベース」共有にあります。でもそれってちゃんとやれてるの?!
実態はどうか気になりますので、性犯罪をはじめとする非違行為により教員免許を失効・取上げとなった者(他道府県を含む)が再び教壇に立ち、教育現場に関わることがないために東京都教育委員会ではどうしているかというと(多くの他の道府県教育委員会も同じと思料)非違行為等(わいせつ)で教育職員免許状を失効又は取上げとなった教員は、免許状の種類、失効等の事由、氏名及び本籍地が、政府官報に掲載されることから、これを貴重な情報源として共有しあっている、というのが現状です。
しかし、バレそうになってヤバくなったら「一身上の都合」で辞表を出して受理されれば、逃げおおせて教員免許も有効のまま、官報にも乗らず他の自治体や私立の学校でまんまと教員を続けられることなどあってはなりません。実際に昨日の読売新聞では「わいせつ教員「排除」模索…免職歴共有 40年に」にて「虚偽申告」「改名」すり抜けを指摘し、東京都でも2014年他県で女児わいせつ行為で懲戒免職になっていたにも関わらず、ウッカリ採用していた事例も指摘されていました。
今後政府も厳罰化していくにあたっては都道府県と、天網恢恢疎にして漏らさぬ連携をはかって、「わいせつ教員」データベースを徹底的に共有し教育現場からいかに「わいせつ教員」を排除していくか知恵を出し合っていかなければなりません。
【お姐総括!】
昨年放映された「当事者に聞く“小児性愛“衝動はなぜ?」(ABEMA TV)。この番組内で小児性犯罪を犯す者の3割近くが教員等子どもに「先生」と呼ばれる仕事についていること、この性的嗜好から職業選択したということが示されてていました。
驚かれる方もおいでとは思いますが、児童を対象とする性犯罪犯の再犯性・累犯の高さは世界的に指摘されており、アメリカでは犯人が刑務所を出た後その居場所を公表するミーガン法が制定されていることを鑑みても、やはりという思いしかありません。
なぜ、ここまで日本の学校現場でスクールセクハラが横行し「わいせつ教員」が野放しになり続けていたのか。信頼すべき「先生」からの性被害により不登校になったり、精神的に傷を生涯負わせられ、児童生徒の人生に甚大なる被害を与え続けてきたことは、現場の教員が気づかないはずはなかったのではないでしょうか?!
児童生徒の命も人権も地球よりも、ましてや教職員労働運動よりずっとずっと重いはずです。
「9条守れ!護憲運動」「日の丸掲揚反対!」「君が代斉唱反対!」「学力テスト反対!」に血道をあげるなら、なぜもっと早く「わいせつ教員」の教育現場からの排除をしてこなったのか。
教職員組合の放置の賜物ではないでしょうか?よもや、厳罰化されて懲戒免職処分が決まったときに「不当免職!」「不当懲戒!」と児童生徒よりも「わいせつ教員」を守る行動に出るとすれば、もう教職員組合の存在意義はまったくないどころか、社会の害悪であるとお姐は断じるものです。
動け、教育委員会。
もっと動け、教職員組合!!(児童生徒のために、な。ゆめゆめ、わいせつ教員のためではなく!)
★許すまじ!わいせつ教員!都立、公立校でのわいせつ被害について語る★
動画も是非ごらんください♪
編集部より:この記事は東京都議会議員、上田令子氏(江戸川区選出)のブログ2020年10月22日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は上田氏の公式ブログ「お姐が行く!」をご覧ください。