こんにちは、広島市議会議員(安佐南区、自由民主党)・むくぎ太一(椋木太一)です。
広島市議会の政策立案検討会議(9人)が10月27日に開かれ、「広島市平和推進に関する条例(仮称)」(以下、「平和推進条例」)の素案が固まりました。
この条例は、広島市が平和行政を行う際の理念・方向性を示すもので、最上位に位置します。広島市における平和行政の“憲法”ともいうべき存在となるものです。ゆえに、広島市当局は、この条例に基づき、平和推進に関するあらゆる施策を講じていくことになります。
また、政策立案検討会議とは各会派の代表者(幹事長ら)による合議体で、9つの会派の代表者が名を連ねています。私も1人会派(広島新生クラブ)ながら、今年7月から同会議のメンバーとして協議に加わっています。
広島市は被爆地であり、「国際平和文化都市」を標榜しながら、今のところ、平和行政の柱となる条例がございません。世界の恒久平和の実現に向けて、広島市がリーダーとなるべく、昨年夏以降、同会議において「平和推進条例」の策定の検討を進めてきました。そして、このほど、「平和推進条例」の素案が固まったのです。
この条例案のポイントはいくつかあります。中でも注目していただきたいのが、「平和記念日」に関する第6条1、2項です。(以下、条文を抜粋します)
(平和記念日)
第6条 本市は、…(略)…、毎年8月6日を平和記念日とする。2 本市は、広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式典を、市民の理解と協力の下に、厳粛の中で行うものとする。
1項で、「8月6日」を平和記念日と定めました。昭和20年(1945年)8月6日に広島に、同年8月9日に長崎に原爆が投下され、多くの方々が尊い命が奪われました。近年、こうした悲劇が起きた日付を知らない人が増えていると実感しています。被爆3世である私自身、20数年前に上京した際、「8月6日」が何の日か知らない人があまりに多いことにショックを受けたことが、故郷・広島市で政治家を志すきっかけの一つとなりました。6条1項は、永遠に「8月6日」の惨劇を忘れてはならないという思いを込めているのです。
また、8月6日の平和記念式典で、左派のデモ団体による騒音により式典の静謐な環境が損なわれています。近年、原爆で犠牲になられた方々の御霊を静かに慰め、世界の恒久平和を静かに祈る場に戻したいという広島市民の声が高まっています。
この条例案が成立・施行すれば、広島市当局、市議会ともに平和記念式典の静謐な環境を確保すべく、より一層取り組んでいくことになるはずです。この条例は、そのための大きな一歩だと確信しています。
今後、広島市当局にこの素案を示して意見交換をした後、市議会に上程し、今年度内の成立を目指します。