混迷極める大統領選、アノマリーに基づく勝者の見分け方③

カバー写真:Victor Araiza/Flickr

前回は、経済指標と米株相場のアノマリーを検証しました。

今回はアメリカらしく、フットボールのアノマリーを拾っていきましょう。

お馴染みのスーパーボウル、アノマリー。はい、スーパーボウルの覇者がアメリカン・フットボール・カンファレンス(AFC)に所属していれば共和党候補が、ナショナル・フットボール・カンファレンス(NFC)のチームであれば民主党候補が勝利するというものですね。スーパーボウルが開始した1968年以降でみると13回のうち8勝5敗と振るいません。しかし1976年以降でみると83敗と勝ち越し、さらに2000年以降は4連勝と勢いづいているのですよ。そのスーパーボウル・アノマリー、気になる今年の優勝チームは・・・AFCカンザスシティ・チーフスでしたから、トランプ再選のサインが点灯した格好です。

チャート:スーパーボウルの覇者と大統領選挙結果の一覧

作成:My Big Apple NY

NFLからもうひとつ。ワシントン・レッドスキンズが大統領選投票日直前に行われる地元での試合で勝利すれば、現職の大統領が再選あるいは与党の候補が選出されるというアノマリーが存在します。これを”レッドスキンズ・ルール“と呼んできましたが、人種差別問題の観点からチーム名からレッドスキンズが削除されてしまいましたから、今後は”ワシントン・ルール“となるのでしょうか。

いずれにしても、このアノマリーは1932年以降で194敗と勝率が高いんですよね。ただし、直近4回は3敗中で2012年と2016年は落としています。信憑性が低下するなか、今年は10月25日に試合が開催され・・・ワシントンが勝利し、トランプ再選を示唆しているのですよ。

チャート:レッドスキンズ・ルール、今度はどんな名称に変わるのでしょうか。

作成:My Big Apple NY

NFLはクオーターバックのキャパニック氏を始め黒人選手が黒人差別への抗議として国歌斉唱で膝をつき、トランプ大統領が猛批判する一幕もありましたが、トランプ再選の可能性に軍配を上げました。次回は別のアメリカン・カルチャー代表格に絡んだアノマリーをご紹介して、このシリーズの締め括りとさせて頂きます。どうぞ、お楽しみに!


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK –」2020年10月28日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。