携帯電話の料金引き下げで景気が良くなる!

菅政権になって、携帯電話の料金引き下げが本格化しています。

KDDIとソフトバンクは、28日に新たな料金プランを発表しました。
20GBのデータ容量で、KDDIは月額3980円、ソフトバンクは4480円ですが、含まれる通話時間が違うので話す量によってお得感も人それぞれ違います。

ちなみに私の携帯電話料金は8月が1万67円、9月が9447円、10月は今のところ8294円ということで、なるべく動画とかはWi-Fiで見るようにして節約しています。ドラマやスポーツ観戦を携帯の通信で行っていたと考えると、こんな金額では済まなかったでしょう。

さて今、KDDIとソフトバンクと言いましたけれども、正確に言えばそれぞれの系列のUQ mobileとワイモバイルの料金です。これらはいわゆる格安スマホです。それぞれのシェアでいうと、KDDIだったら20分の1、ソフトバンクだったら8分の1の契約数です。

ということでKDDI、ソフトバンクもそれぞれの本体ブランドの料金値下げについてはまだ言及されていません。なぜならば、ドコモの料金を横にらみしているからです。そのドコモはNTTの完全子会社化になることでバタバタしていて、料金発表は11月の中旬になる模様です。両者ともドコモの料金を見てから値下げを決めるでしょうし、もしかしたら格安ブランドについてもさらに値下げする可能性もあります。ちなみに現段階でデータ品質がやや劣る楽天モバイルは月額2980円になっています。

先週、アメリカでのGoogle提訴について話をしました。その際、本来、政府が値段を下げろと民間に迫るのはおかしなことだというふうに言いました。安倍政権時代には政府が民間企業に賃上げしろと迫っていたこともありました。その要請に応じて大企業は賃上げをしましたけれども、官制値下げにしても官制賃上げにしても、日本は社会主義国ではありませんし、計画経済で回っている国ではありませんので、この点については本当におかしなことです。

それでも菅政権が携帯値下げと言っているのには、国民にサービスして喜んでもらうことで、政権の支持率アップを狙っているものではありません。というのは、経済にとって大きなインパクトがあると考えているからです。

10月22日の日経電子版で武田良太総務大臣が単独インタビューに答えて、「コロナ禍で地域経済が低迷し、家計における通信関係の負担がものすごく大きくなっているのは事実だ」の掲載されていました。確かにこう感じている人は多いと思いますし、諸外国に比べても明らかに高い料金です。

しかし、日本が他国に比べて高いものは他にもあります。例えばゴルフのプレー料金や牛肉価格です。それでも政府は値下げしろとは言っていません。それはゴルフは一部の人にしか関わらないが、携帯はもはや国民全員に関わると言えるからです。要するに、ほぼ全ての国民が払っている毎月の料金が下がることで、その分可処分所得が増えるということです。この事はもっと言った方がいいと思うんですけれども、武田大臣は先ほどのインタビューでも言及していません。

ところが、10月15日に私、武田大臣の講演を聞いた時、大臣が明確に可処分所得を増やすことになると言っていました。その翌週10月20日に私は武田大臣と総務大臣室で面会しました。その際、私がそのことを伝えると、意を得たという表情になり、武田大臣は「いわば減税と同じなんですよね」とおっしゃっていました。本当にその通りなんです。

実は日本には非課税世帯が約1600万世帯、この数字は世帯数ですから、人数に換算すると子供なんかも入るので、こちらの方が多いです。だから武田大臣も、携帯料金の値下げが1000円程度では駄目だと民間にハッパをかけているわけです。ですから私は、武田大臣も菅総理もこのことについてもっと言った方がいいと思います。

すなわち携帯料金が下がれば、その分使えるお金が増えます。そのお金で他のものが買えますよということをもっと言った方が、国民にも理解されます。これはまさに経済対策なんです。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年10月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。