世界は大転換期!各国の選挙結果から考える

私がこれまでBLOGを続けてきた理由は、1人でも多くの人に自分が暮らしている社会に関心を持ってもらいたいという思いからでした。ですから複雑、面倒という話をなるべくわかりやすくお伝えをするように心がけてきたつもりです。

今、私たちはとにかく世界の大転換期の中にいると言っても過言ではありません。私はかなり前から言ってきた大転換期についてお伝えしたいと思います。最初に言っておきますけれども、だからどうなんだよという結論を求められても結論がないのが今日の話です。

私が大転換期というキーワードを初めて大々的に取り上げたのは、2017年元旦のBLOGでした。トランプ大統領の就任前でしたが大転換期だと感じたんです。最初に感じたのは、その2年前の2015年にイギリスとオーストラリアで、私からすると不思議な選挙結果がありました。

一つは9月にイギリスで、野党労働党の党首にコービンさんという無名のも社会主義者が選ばれたからです。もう一つは、同じく9月にオーストラリアで現職のアボット総理大臣が自由党内の選挙予定党首選挙で負けて、その後タンブル氏に総理の座を奪われました。いずれも、「あれ、どういうこと?」というふうに思って、その後は各国の選挙に関心を持って見るようになりました。

そして2016年に行われたアメリカの大統領選挙です。本選の前の予備選には10人ぐらいが出馬しますが、そこからだんだんいなくなるだろうと思われていたトランプ氏があれよあれよと勝ち進んで共和党の大統領候補になりました。本選では民主党のヒラリー・クリントン氏が最初から最後まで優勢と言われていましたが、最終的にトランプ氏が勝ちました。この年、私は初めて世界が変わり始めていると確信しました。またこの年には、イギリスがEUから離脱するということを国民投票で決めたということも確信に変わった一因です。

一つ一つの選挙結果を見てもなかなかわからないというのは私も同じです。けれども、俯瞰して見ると不思議と思える共通点がありました。さらに問題意識を持って見てみると、もう一つ共通点がありました。それは各国で格差が拡大しているということです。その鬱憤が選挙に表れているというふうに私は感じました。これは経済成長している国でも同じです。

2018年には新興経済国であるブラジルで「ブラジルのトランプ」と言われるジャイール・ボルソナロ大統領が誕生しました。フランスではいつも出るだけだった極右政党のマリーヌ・ルペン氏が大統領選挙で大量得票したり、イギリスでも、やはり極端なことを言い「イギリスを壊す男」とも言われたボリス・ジョンソン首相が誕生しました。

これらの背景は何かと考えると、さっき言った格差になりますが、ではなぜ格差が広がるのかと考えてみると、よく発展途上国などでは貧富の差があると言われますよね。この場合、権力者や一部の経済人が富を得て、大多数の国民は貧しいという構図なんですが、先進国や経済が成長している国でも格差が広がっていたわけです。

では今度はそれからなぜかということを考えたとき、行き着いた結論は、ITの進化とグローバリゼーションということです。一言で言うならば、今までとは違う経済になった、今までとは違う商取引になったということでしょう。

例えば買い物をネットで済ませるということになれば町からお店がなくなるということで、それが様々な分野に渡っているわけです。もちろん成長する人はいます。ネットで新たにビジネスを始めた人や真っ先に手がけた人はどんどん成長していきました。

これが格差であり、物を消費しなくなった、食べなくなったということではなく、物の消費の仕方が変わった、食べ方が変わったということです。だから、これまでを良くしてた人、成り立っていた人が成り立たなくなった。それが連鎖していき、そうした鬱憤が溜まってきたわけです。

トランプ氏は4年前の選挙で「アメリカファースト」と言いましたけれども、はっきり言ってどの国も今や同じ事情です。みんなで発展していきましょうというのではなく、どの国も余裕がなくなって自国中心になっています。それが他国との摩擦になり、その摩擦がどのように発展していくかについてはわかりません。ただそう簡単には終わらないでしょう。なぜならば、IT化などの環境が変わらないからです。

今後10年、20年、30年と様々なことが起きながら続いていき、やがて何らかの新たな秩序ができるというまでに相当ま時間が掛かると思います。そういう大転換期に私たちは生きているということなんです。冒頭に申し上げた通り、結論はありません。でも、それを知った上で生きていく、会社を経営していく、そのために前提と心構えが必要だと思います。


編集部より:この記事は、前横浜市長、元衆議院議員の中田宏氏の公式ブログ 2020年11月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はこちらをご覧ください。