「血糖値スパイク」のセルフチェックが当たり前になる時代

健康チェックを定期的にお願いしている医師の指導の下、血糖値をリアルタイムで計測する「Free Style Libre」というマシンの使用を開始しました。

小さなモニター端末(写真)とは別に、左腕に小さな針の付いたパッチを装着して、そこで計測したデータを記録していきます。1つのパッチで2週間のデータ測定が可能です。パッチを装着するのは、注射嫌いの私には、ちょっと勇気が必要でした。

健康を維持するための重要なファクターの1つが食事です。栄養バランスを考え、脂質・糖質の摂りすぎは控えることはもちろん大切ですが、血糖値の動きも大きなリスクファクターであることは意外に知られていません。

食事をすると「血糖値スパイク」と呼ばれる血糖値が急激に上昇する状態になることがあります。例えば、朝食に糖質であるシリアル、オートミール、トースト、フルーツなどを食べると、血糖値が急上昇して血管にダメージを与えます。断食(ファスティング)と暴食を繰り返すのも、血糖値の変動率を高めるので、健康にはマイナスです(参考:ファスティングすると不健康になる)。

血糖値の変動が大きくなると、動脈硬化、心筋梗塞、狭心症、脳卒中など要因になるのです。具体的には、食後2時間の血糖値が140mg/dLを超えると問題とされています。

リスクを下げるには、血糖値の変動を小さくして、血管へのダメージを抑えることが重要になります。

このセンサーを装着することで、人間ドックのように「空腹時の一点」の血糖値を測定するだけではなく、食事をした時の血糖値の上昇を常時モニターすることができます。数字を見ながら、食べるものを選択したり、食べる順番を工夫することで「血糖値スパイク」を、自分でチェックしながらコントロールできるようになるのです。

まだ、こんなことやっている人はほとんど見かけませんが、糖尿病の方などはインシュリン注射をするタイミングを知るために使っているそうです。

人間の体には「2つの長い管(くだ)」があります。消化器系の管は、胃カメラや大腸内視鏡で内部をチェックする必要がありますが、血管系の管はダメージを与えないように血糖値チェックするのが現実的です。血糖値を自分で図りながら、食事コントロールすることが、人生100年時代になれば、いずれ当たり前になると予想します。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2020年11月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。