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ちょっとマジな話をしますね。いまテレビでは「日本が医療崩壊する」と毎日声高に報道されています。しかしわたしにはずーーーーーーっと疑問があります。
どうして人口あたり日本の5〜40倍の感染者数の欧米では医療崩壊しないのか
ということです。たとえばスウェーデン
1日あたりの感染者数は3500人〜7000人。日本の人口と合わせると実に4万人から8万人。日本の20〜40倍。重症者数は192人なので日本と合わせると2300人。実に6.7倍。でも医療崩壊してません。踏みとどまって頑張っています。
フランスはピークを超えましたけど、1日の感染者数は日本の5倍。重症者数は13倍です。医療崩壊してません。
こちらは11/17の朝日新聞ですが
「医療態勢が著しく逼迫(ひっぱく)する」。フランスのカステックス首相は12日の記者会見で、全国の入院者数が過去最多の3万2千人を超えたと明かした。新規感染者数は11月中旬ごろから減少傾向にあるものの、入院者数はなお伸び続け、連日500人前後が亡くなっている。パリ郊外セーヌサンドニ県の公立病院に勤める救急医クリストフ・プリュドムさん(60)によると、病院に40ある集中治療病床のうち、空きは3床のみ。10月以降、他地域へ患者を搬送したり、コロナ以外の手術を延期したりして、重篤患者の入院を断る事態だけは避けてきた。だが、「春から手術を延期され続けているがん患者が複数いる。半年も遅れれば生存率が下がりかねない」と危機感を募らせる。フランス全体で7700ある集中治療病床のうち、16日現在で4919床が埋まっている。感染が拡大した地域が一部に限られていた春と違い、今回の感染は全土に広がっているため、病床が埋まった病院からTGV(高速鉄道)などを使って他地域へ患者を移すことが難しくなっている。仏北東部など一部の地域では病院が満床に近づいたため、協力を得られたドイツの病院への患者搬送も始まっている。
このときは、フランスでは1日35000人。つまり日本の17倍の新規感染者ですが、記事の通り「医療体制が切迫する」としており、崩壊はまだしていません。
素朴な質問 なんで欧米は日本の10倍以上でも崩壊しないのに日本は崩壊するの?
というのが正直、物凄く疑問なのです。お医者さんたちも不思議なんじゃないですか? 欧米はどうやって回しているのかと。
で、医者はこういうことはわからなそうなので、不肖わたくしがいろいろと探ってみました。本来は首長がやるべきことだが
「コロナ対策」で公用車、花火…地方自治体のあきれた交付金支出(西日本新聞)
こんなことしている位だからバカに決まっている。
各都道府県は本当に逼迫しているのか
最近はこちらはまるでアテになりません。
なぜかというと、都道府県によって入院基準が全く違うから。
たとえば大騒ぎしている北海道
入院患者845人 重症19人 入院患者の重症率たったの2.2%
他府県はというと東京だけは重症の数え方がほかと違うので比較できない。
大阪 入院患者767人 重症103人 入院患者の重症率13.4%
どうみても大阪のほうが切迫している。北海道ははっきりいって軽症を入院させすぎです。しかも突出している。他の県はどうか。
大阪の隣の兵庫県。ここは無症状でも入院させると公言していた県。知事はセンチュリーが大好きなお爺さん。
入院患者458 重症32 入院患者の重症率6.9%
それでも北海道よりマシ。いったい北海道はどんな基準で入院させているのか。
ここでふと気づいた人もいるでしょう。フランスのところに仏北東部など一部の地域では病院が満床に近づいたため、協力を得られたドイツの病院への患者搬送も始まっている。と記載されている。EUの中では別の国同士でさえこうした融通が行われているのに、日本はまるでされていない。
そもそも日本はカリフォルニアより小さい。明治の時代にそれを47都道府県に分けたのは、藩制度の名残です。カリフォルニアより小さいのをチマチマと47にわけて、それを地統治するのは人気投票で選ばれた知事。ひとつが小さければキャパが小さいのだからキャパオーバーになって当たり前だ。江戸時代じゃあるまいし、隣の藩で飢饉だけど食料はわけないみたいなことしてどうするんだよ。それでも日本人か
今日になってやっと関西のほかの県が融通する検討にはいったという。遅すぎないか。
現場の声を拾ってみた
まず、北海道大学でコロナの治療にあたっているお医者さんがFacebookで崩壊しそうだと嘆き、それに付いたレスの数々….
どうも様子が違う。開業しているお医者さんは「発熱程度なら我々が診る。軽症の患者を入院させるな」と言っておられる。医師会からも提言しているようだ。さらに近藤先生は「挿管が早すぎて重症化を招いている」とまで指摘。これは武漢でもとっくに言われていた。近藤先生は4月の段階でこんなことを言われている。まるで予言者です。一読して。凄い。四月にこれを言える胆力と洞察力!!!
さらに現場の医師のかたも
つまりは、全国の医療施設はすでにあっぷあっぷの状況になっていて、他の病気が満足に診れる状況ではなくなってきていますよ。つまり、医療崩壊に近づいていますよ、という印象を与える記事が非常に増えています。
しかし、現実には、そんなことはありません。
私の所属している病院ではコロナ前だろうと、緊急事態宣言下であろうと、現在に至るまで、変わらずに連日24時間、患者の発熱の有無に限らず脳卒中や脳神経外科救急を受け続けています。
私も2日に1日は緊急手術のオンコールを続けておりますし、事実上、365日24時間のうちの半分を担当しています。
現場で変わらず働いている立場からすれば、この感染状況で軽々しく医療崩壊などと報道するメディアには一言、「ふざけるな」と個人的には思ってしまいます。
と真っ向から否定されている方もいます。
冷静に考えれば全国には2000以上の重症ベッドが準備されているのに11/25時点で重症者は345人。つまり重症の病床使用率は2割を切っているわけです。
やっぱりという感じですが、本当に医療崩壊寸前と言えるのはいまの4倍くらいになってからですが、そのときは重症用の病症はもっと増やしているはずです。だって日本では月に8000人も肺炎で死んでいるんですよ。
ここに来てやっと分かってきました。こんな感じではないでしょうか。
●大阪は確かに切迫してきている。しかそれは他県と融通しないため
●地域によっては余裕があるどころかガラガラ
●日本全体で見るとまだ相当に余裕がある感じ
切迫していると訴えるお医者さんは、大阪のように特定の地域でコロナを受け入れている病院の方。それが日本全体のように言われているわけですね。
で、医師で専門家の方の意見を見つけました。
スウェーデンの病床数(人口あたり)は日本の1/6しかありませんが、ドーッと来てサ〜っと引く感染症の緊急流行時にはこうして迅速に感染症病棟に変換、人員も配備し直して対処しています。(この対応は他の欧州諸国で共通しています)。もちろん通常診療を制限しているので、この体制は感染の波が引けばサッと機動的に元に戻るでしょう。
一方日本は、これだけコロナで病床ガー、ICUガー、と大騒ぎしていながら、その病床変換スピードは以下コメント欄のグラフ通りものすごくゆっくりで、しかも一度作った病床は、感染者・死者数が減ろうがもう減らさない(-_-;)。こんな重戦車のような機動力の低さなら、そりゃ急に感染症が増えたら怖いですよね。
ちなみに、スウェーデンの病院はほとんどが公的機関で職員は公務員。日本の病院はほとんどが民間で、職員も民間人。つまり医療の殆どが国家の安全保障としてのコントロール下にないのです。
この差は圧倒的に大きいと思います。
日本の医療体制は機動性に弱くて鈍重。感染症の拡大期でも迅速に病床を増やせない。かたやスウェーデンをはじめヨーロッパでは臨機応変に病床を増やす。日本は政治経験もなかったりする昔の大名さながらの知事の管轄で病床や療養ホテルの手配が行われてるのにたいし、スウェーデンはほとんどが公的機関でさっと動く。
もちろん、人口の少ないスウェーデンと日本は一緒にできないが、森田医師は「この対応は他の欧州諸国で共通しています」と書かれている。本当に感染症対策をするなら病症の運用を一括して国で行い、司令センターみたいな基地を作って管理すべきでしょう。日本の地方自治は緊急時にはほとんど機能しないことが分かった今、根本的な改革には医療システム自体の見直しが必要だということは明らかで、それをしなくてはWithコロナに対応できない。経済を回すたびに「医療崩壊だー」と騒がれては復興もできない。
菅さん、どうかよろしくお願いします。あなたが頼りです
こうした医療システムはわたしはよく知らないので「医療崩壊する」とSNSで言っている医療従事者に「どうして欧米では日本の数十倍の新規陽性なのに崩壊しないんですか」と聞いて回ったが誰も返事をしない。相手にしないというより、誰も答えが分からないのではないか。目の前の患者は診ても、日本全体はどうなっているのか考えるすべもない。コレを解決できるのは本当に政治の仕事と思います。
ちょっと長いのですが、わたしの灘の後輩(といってもこちらは1年で退学 w)の船木医師のコメントです。わたしの投稿にコメントつけてシェアしてくれました。オリジナル
【 「医療崩壊」の原因 】
まず、辞書で
「崩壊(ほうかい)」ということばの意味を調べると
「崩れること・壊れること」
「建物や積み上げたものが崩れること」
と書いてあります。
「専門家」と言われる人たちが、
「これ以上、新型感染症が拡大すると
『医療崩壊』を招きかねない・・・」と
神妙な顔でしきりに話していますが
そもそも「医療崩壊」ってなに?という思いと
そんなこと起きるわけないだろ、という思いを
持ちながら、この半年くらいを過ごしています。
暇なときに調べてみると
「医療崩壊」を説明しているサイトがありました。
「医療崩壊(いりょうほうかい)とは、医療安全に対する
過度な社会的要求や医療への過度な期待、
医療費抑制政策などを背景とした、医師の士気の低下、
防衛医療の増加、病院経営の悪化などにより、
安定的・継続的な医療提供体制が成り立たなくなる、
という論法で展開される俗語である。
2020年、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大した
国々では、医療従事者や医療器具が不足、重症者の
治療に手が回らなくなった。このような状態を
医療崩壊と表現するようになった。」
(Wikipediaより)
少なくとも、日本でいま(ことばの意味を吟味して
使っているかどうかは別にして)話題にしている
「医療崩壊」とは、
文中の「2020年、新型コロナウイルスの感染が急速に
拡大した国々では、医療従事者や医療器具が不足、
重症者の治療に手が回らなくなった・・・」という
意味合いで使われているのでしょう。
私は、23年半にわたり、内科臨床医として
働いてきました。16年ほどは、大学病院の内科病棟や、
比較的規模の大きい地域の中核病院(救急病院)に
勤務してきたので、もちろん、専門領域の病気に限らず
内科全般の患者さんたちの全体的な変化も
見てきました。
特に「医療現場」の専門家の書いたものほど
私が中立的で良心的と感じるネット上の記事、
確かにそうだな、と頷くものが多いのですが、
マスコミでは全く取り上げられることがないようです。
ちなみに私は10年近く、大学病院の内科病棟の
病床管理をやっておりました。何十人といる医師が
次々に出してくる申込み書をさばき、緊急の入院を
受け入れながら、予定入院の方の分は期日までに
ベッドを確保しておくのです。
ベッドは常に満床で、同じ日の午前に退院してもらい
昼過ぎには新しい患者さんが入ってくるという
忙しさで、それでもベッドが足りなくて、
かかりつけの患者さんをよく、近隣の病院に
お願いしたものです。そうするとベッド稼働率は
1日につき2名という病床もあるため、100%を
常に超過した状態で推移します。
ある意味で「医療崩壊」寸前の現場にいました。
断っておきますが、これは春でも夏でも同じ。
まったく普段の状況でした。
これが、インフルエンザのはやる冬を迎えると
どうなるかは容易に想像がつくでしょう。
原則、インフルエンザ陽性の方については
入院はさせません。高齢の人を含め95%以上は
自宅で経過を見ることができる上、院内で
感染を広げるわけにいかないので帰って
いただきます。
肺炎が、脳症が・・・という意見もあるでしょうが
呼吸状態がよほど悪くない限り、肺炎でも
入院してもらう余裕はもとからないので、
毎日、抗生剤の点滴に通ってもらうか、
通院が難しい方は近隣の病院に入院です。
そして、他の病院に紹介した人たちのなかで
なかなか改善しない、どんどん状態が悪くなる、
といった場合は、再度、病院の救命センターに
戻ってもらい、改善傾向が見られたら、
内科の病棟に速やかに移ってもらって
治療をひきついでいました。
とは言え、いったん外の病院に紹介した方が、
重症化して戻ってくるなどということは、
全体の5%もなかったはずです。日本の一般の病院には人工呼吸器など高度な
医療器械がないから専門病床をどんどん増やせ、
という不勉強なコメンテーターがテレビに
登場して久しく、失笑してしまうほどの、
レベルの低いコメントが多いのには驚きます。
正直、日本の医療のレベル、医師や看護師の
技術水準を「なめている」としか思えないです。
日本の中規模病院には人工呼吸器が複数あり
普通の研修を積んだ医師なら、たいていのことは
こなせます。
そもそも、そんな高度の専門知識を必要とする
呼吸管理を要するほどの重症呼吸不全の
患者さんが、いったいどれくらい発生しているのでしょう。
私が得ている情報では、重症者は全国で300人あまり。
そのほとんどが高齢で基礎疾患を持った人たち。
シーズンになると、
私のような小さいクリニックの医師でも
1日につき、10人、20人というインフルエンザ「陽性」
の方々の診療をしております。
新型感染症かも知れないという発熱患者さんも
分け隔てなく受け入れるという診療所など
当院をふくめ、周りにも、いくらでもあります。
都内だけで内科診療所は8,000軒あります。
仮に新型感染症を1日に1軒あたり3人ずつ診療した
としても20,000人に対応ができるのです。
なぜそんな話にならないかというと、
新型感染症は、現時点で、重症化する人も
それによって死亡する人も大差がないのに
さんざんマスコミを通じて、また、それに扇動された
行政のトップが、「特別なウイルス感染症」という
イメージを作り上げてしまったから。
ですから、そんな「特別な感染症」を
普通の診療所で、普通の病院で診てもらえる
わけがない、そこの医師や看護師に
対応できるわけがないというイメージを
作ってしまったからです。
初期から、真剣に診療を行なおうとしてきた病院も
「感染者」が出ると、マスコミがそんなレベルなので
近所の人たちも大騒ぎをした結果、診療に対して
消極的になってしまいました。
ですから、診療所や病院も、進んで、
「発熱」の方でも診療します、とは言えなくなっている。
ごくごく一部の「同じ」医療機関の専門病床の
取材、報道を繰り返し、医療が「崩壊したらどうしよう」
と騒いでいる。それは、マスコミがさんざん煽った結果、
例年のインフルエンザなら、近所の診療所に
かかった人まで、多くの人たちが不安に駆られて
特定の病院に殺到しているから。
それだけの話です。
日本のほとんどの医療機関では
あらゆる人が「感染症」を持っているという前提で
普段から「標準予防策」を取っており、
インフルエンザウイルスやノロウイルス感染に備え
しつこいくらいに消毒を繰り返しています。
診療所や、病院。
私たち医療機関に勤める医療者は
医師、看護師だけではなく、窓口の事務スタッフや
清掃スタッフまで、そこに「感染症を持った人たち」
「(年齢により)感染症で亡くなるかもしれない人たち」
が、当たり前のように集まる場所だということを
前提にトレーニングを受けています。
顔にぼかしをいれたインタビュー映像を流し
「若い人まで重症になっているんです」と
泣きそうな声で話すスタッフらしい人を映し
それがあたかも現在の医療現場で
働く者たちの総意かのような偏向した
報道を行なうことは厳に謹んでいただきたい。
病院のなかで人が亡くなるのはあたりまえです。
もともと亡くなりそうな人が集まる場所ですから。
これまで、毎日のように肺炎で人が亡くなり
重症化した人たちを、当たり前のように
普通の病院で診療してきた事実も無視し、
マスコミは、いったい何を「報道」したいのですか?
今まで、事実というものをどう捉えてきたのでしょう?
私がこれまで一緒に働いてきた仲間、
ごく普通の医療者たちは、「重症の人が・・・」などと
人前でメソメソ泣いたりしません。それが仕事です。
少しでも希望がある限り、泣いたり悲しんだりする前に
頭と手を動かします。それが私たち、プロです。
汗を拭いたり、化粧を直したりする暇などありません。
うれしいこと、感謝されることなどほとんどありません。
一方で、自分の力が及ばなかったことに、倉庫や、
トイレですすり泣いているスタッフを何度も見ました。
職業人とはそういうものではないのでしょうか?
それとも、私が考えるプロの概念に誤りが
あるのでしょうか?
そういえば、普段であれば
マスコミのみなさんが飛びつきそうなネタが
あります。
昨年比で売り上げが大きく落ちたことで
給付金の給付を受けた診療所や病院が
相当数あること(数えきれません)。
経営が厳しくなり、診療部門の縮小、人員の削減を
考えている医療機関が、私が知るだけでも
10軒以上あること。
あとひとつ。
このところ、近隣の病院から、よく電話がかかってきたり
院長さん、事務長さんたちが、挨拶に見えます。
その趣旨は、「入院患者さんが減っていて、本当に
困っている。ぜひとも、うちに『入院』させてほしい。
検査を受けるだけでも紹介してほしい。」というもの。
もしかすると、マスコミの使う「医療崩壊」とは
先に挙げた説明の前半「…医師の士気の低下、
防衛医療の増加、病院経営の悪化などにより、
安定的・継続的な医療提供体制が成り立たなくなる、
という論法で展開される俗語である。…」
を指していたのかも知れません。だとすれば、
私の勘違いです。
どちらにせよ、
いまある「医療」でさえ、それを「崩壊」させようと
しているのは、ほかでもない、マスコミの
みなさんではないのですか?
https://www.facebook.com/isseki/posts/3759366054073938
~王子北口内科クリニック院長・ふなきたけのり
面白いって言われて見たんだけどかなり面白かった。イライラしてる方にオススメしますよ
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2020年11月25日の記事より転載させていただきました。