経済を1〜2ヶ月完全に殺してコロナを抑え込むのがいいというのは単なる妄想

2021年01月02日 06:00

matejmo/iStock

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わたしが主催しています「21世紀を生き残るための「永江 虎の穴塾」では塾生を募集しています。コロナ禍の間、希望者は毎月30分。わたしと1:1でzoomでブレストができます。ひとりずつ丁寧にやってます。これから襲ってくる大不況に立ち向かおう。

「あけましておめでとうございます」
なんて、最近言ったこともないし、一日過ぎたからといって何がおめでたいのか

しかし、今年は

明けまして今年は絶対生き抜くぞ!と誓おう!
そして経済をなるべく痛ませずに次世代に引き継ぎ、彼らの夢を潰さないことを誓おう!

我々は次世代のための礎になるべき。絶対に日本の未来は壊させないし、自殺者は最低限度に食い止める。でないと日本の未来がなくなってしまう。ワクチンができても効果は90%だから、欧米ではワクチンの効果が出ても日本よりずっと多くの感染者と死者が出る。現在のように無意味で異常な恐怖に縛られていては、世界一の少子高齢化で人口が激減している日本の死期が早まるだけです。

しかしいまでも「いったん経済を完全に止めてコロナを封じ込めて再開する方が経済的にも打撃にならない」というなんの根拠もエビデンスもない妄想を振り回す人がSNSにもいるし、テレビでも堂々と発言しています。それに引きずられるリテラシーの低い人も田舎の高齢者を中心にたくさんいて、今は強気の菅さんも徐々にそちらに引きずられているようでちょっと心配。で、年初に「いったん経済を完全に止めてコロナを封じ込めろ論」がいかに妄想であるかまとめておきたいと思います。

経済崩壊で日本では欧米と比較にならないほどの人が自殺する

何度も書いていますが、過去30年の統計で日本では失業者が160人増えると自殺が1人増えます。そしてそれが何年も続く。バブル崩壊の時は1万人増加して10年続いた。これは明確なファクトで誰も否定できません。

いまはどれくらいの人が失業したかというと、こちらは11月までなのでGoToでかなり改善された数値ですが

それでも昨年より60万近い人たちが完全失業。持続給付金が払われているうちはまだしも、GoToの打ち切りで倒産も増えるのは確実で100万人を超えるのも近いだろう。60万人でも自殺者予測は初年度4000人増でコロナより多い。

で、「いったん経済を完全に止めてコロナを封じ込こめろ論者」は、2ヶ月ほど完全にロックダウンして抑え込んだ場合の倒産件数や失業者数の試算を全くしない。これははっきりいって卑怯としかいいようがない。メリットとデメリットを比較して、どちらかメリットが大きいほうを採択すべきなのにメリットしかいわないのである。これでは比較のしようがない。

完全に2ヶ月ロックダウンするということは緊急事態宣言の比では無く、すでに弱り切った日本経済にとどめを刺すわけだから、数百万単位の失業者、つまり万単位の自殺者が出ることは確定するからである。

日本の規模の人口や国土でいったん広がったコロナを封じ込めた例はない

中国は新幹線の事故を埋めるくらいだからあの国の発表を信じる者はいない。ロシアも実際は死者数は5倍であると報道された。

一般的にはコロナの封じ込めというと台湾とニュージーランドを挙げる人が多いが、そもそもニュージーランドはCt値が30でPCR検査をしており、しかも人口密度は人口密度(1km2当たり)は約17人で335人の日本の1/20以下。農業国だからロックダウンしても畑に出て働けるし餓死者もでないだろう。羊の方が国民より多い国です。鎖国しても食料の輸出でやっていける。台湾も産業構造がいまやコンビューターやスマホの製造などに大きく依存している。これも鎖国しても輸出でやっていける構造なのだ。

では日本はどうかというと、ここ20年で製造業は海外に出てしまい、いまはサービス業がメイン。しかも内需で回さないといけない。つまり

人が市中に出歩かないとやっていけない産業構造

なのである。その国が2ヶ月もロックダウンしたらその被害は甚大でニュージーランドや台湾の比では無く、たくさんの人が自殺することになる。
もうひとつ大きな要素が

ここまで感染拡大した国で封じ込めた例など皆無

ということだ。欧米など厳しいロックダウンしていったん抑えてもまたすぐに第2波が来ているではないか。たとえ重罰を課して2ヶ月間一歩も外出するなにしたところでウイルスが死滅するわけもない。そしていま、感染力の強くなった株が世界中で発見されているわけで、抑え込みなど全くの机上の空論である。一番肝心なのは

長期ロックダウンして抑え込み出来なかったらどうするのか

というハイリスクだが十分に予想できる未来について全く語らないことである。2ヶ月ロックダウンしたら日本では自殺者累々で、ほとんどの中小零細のサービス業は潰れるが、それでも押さえ込めればまだしも、封鎖を解いたら次の波が来るのでは、もう誰も耐えられない。その代表がフィリピンやインドで、ロックダウンしても収まらずに耐えられず、経済を再開してはロックダウンの繰り返しで、フィリピンなどは路上生活者で溢れて大変なことになっている。

良い例がハワイで、サービス業がメインなのでロックダウンに耐えられず、いまは観光全開である。ハワイの人口は日本の1/100くらいだから毎日5〜10人死ぬということは日本なら500〜1000人死ぬと言うことです。

何度も言ってるわたしの提言

自分はずっと高齢者施設と院内感染防止に全リソースをつぎ込めと言っています。理由は以下

1 効率の最大化。死者の半数以上がこれだけからココさえ止めれば医療崩壊はしない
2 経済へのダメージがない
3 高齢者でも動ける人に欧米よりずっと被害が少ないのに永遠に自粛は無理。自由に生きて自由に死にたい自由を

では具体的にどのように全振りすればいいのか。

1 自衛隊のノウハウの教育(療養施設に実績あり)
2 抗原、PCR検査のコストとリソース投下で国費投入(毎朝全職員に抗原検査)
3 IT化による管理の徹底
4 大規模施設内感染を事故として専門家集団が事故報告書を作成して周知。いまは原因追及もされていない
5 人件費を補助して人員を増加
6 介護福祉士の防疫教育
7 保健所長の提案にもあったように濃厚接触者の隔離を2週間から1週間に短縮

などやろうと思えば20項目は書ける。

本来なら日本の医療制度を根本的に構築し直さないといけないのだが、それには時間がかかる。いまとにかく医療崩壊させないのなら、国民に経済を殺して出歩くなみたいなもう誰も言うことを聞かないような要請ではなく、具体的にはっきり効果が出る戦術を取ればいいではないか。こうした戦術はどちらかというと医療の専門家ではなく、業務改革や経済の専門家の出番です。菅さんはそうした専門家を結集していただきたいものです。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2021年1月1日の記事より転載させていただきました。

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