一都三県に飲食店中心に非常事態宣言が出されるとどうなるか

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3 倫理法人会の会員数を増やす施策
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Fiers/iStock

やっと本題です。ごめんなさい。

一都三県の知事から「緊急事態宣言出してくれ」と要請があり、ついに政府も9日の3連休から1ヶ月程度出すようです。しかし今回ははっきりいって全くのムダだった公園の閉鎖や学校の休校などはせず、酒を出す飲食店に限定して8時までの営業とする模様です。

首相、緊急事態は「限定的、集中的に」 飲食対策を重視

菅さんとしてはギリギリの選択だったと思います。それにしても半年以上あったのにほとんどなのにもしていなかった一都三県の首長って本当に仕事ができない。わたしがブログに書いたすぐにでもできる改善案

経済を1〜2ヶ月完全に殺してコロナを抑え込むのがいいというのは単なる妄想

施設内感染を抑えるために

1 自衛隊のノウハウの教育(療養施設に実績あり)
2 抗原、PCR検査のコストとリソース投下で国費投入(毎朝全職員に抗原検査)
3 IT化による管理の徹底
4 大規模施設内感染を事故として専門家集団が事故報告書を作成して周知。いまは原因追及もされていない
5 人件費を補助して人員を増加
6 介護福祉士の防疫教育
7 保健所長の提案にもあったように濃厚接触者の隔離を2週間から1週間に短縮

などを挙げているのだがこのうちひとつもされていない(どっかでしてるかもはしれないけど報道もされない)。

個人消費、再発令で4兆8900億円消失の恐れ…民間試算

オリンピック中止した場合の損失と同額程度が緊急事態宣言の再発動でぶっ飛ぶ。小池がオリンピックのために緊急事態宣言を出してくれと言ってるとしたら、まさに笑止千万!!3.11が15兆円だから、前回のと合わせるとそれくらいはいくだろう。つまり緊急事態宣言は人工の大震災みたいなものなのだ。経済破壊で現役の自殺は統計上数千人は出てしまう。

しかしずっと言い続けていたことを今朝の日経が書いてくれました。

コロナ病床「第1波」より減少 医療逼迫、急ぐ解消

今冬の感染増の可能性は多くの専門家が早くから指摘していた。それなのに医療現場の逼迫がいわれるのは、コロナ対応病床が昨春の第1波から増えず、逆に減っているためだ。危機感の薄れた自治体が積極的に上積みを進めなかったとみられる。

公立病院は694病院のうち69%、日赤や済生会といった公的病院は748病院中79%が対応可能とした。これに対し民間病院は2759病院中18%にとどまった。これは経営的に不安だから

いまだに軽症を入院させており、第3波で呼吸管理が必要な中等症以上の患者が増えたとき、軽症患者の受け入れを早期に見直すべきだった。第2波までの教訓を生かせていない。病床のミスマッチをなくす必要がある

とまあ、腹の立つこと、立つこと。医療崩壊は人災であり、その責任は厚労省や知事にあるのに全くそれを言わずに「国民の気の緩み」に転嫁している。時短に従わない飲食店名を公開するそうだが、であれば受け入れ能力があるのに受け入れない私立病院も公開すべき。飲食店は潰れて良くて私立病院は守るというのはあまりにもおかしい。

と、医療崩壊は首長たちの人災ではないか。怒、怒、怒、である。
怒っていてもしかたないので本日は「実際に緊急事態宣言が出たらどうなるのか」ということについて予想してみたいと思います。

大資本と持ち家店舗以外は閉店が続出

午後8時までしか営業できないとなると、これを守っている飲食店は少なくとも「晩ご飯行こう」という風には使われなくなる。Googleは今回は1/15前後にピークアウトを予想しているので1/9から緊急事態宣言が出ると1週間後にピークアウトしたら「ほらみろ、緊急事態宣言は効果あるんだ」ということになり、次の波は3〜4月くらいにまた来るからまた出せ出せと言われるだろう。これでは飲食店は永遠にやっていけない。

実際、自宅の周りを見ても自分の持っている建物でやっている飲食店は閉めないが、駅前など賃貸物件の飲食店はたくさん閉店している。都内でも銀座周辺や渋谷など家賃が高いところにその傾向が強い。飲食店は締め付けて潰してもまた雨後の竹の子のようにいくらでも生えてくると思っている人がいて驚くが、

これは6年ほど前のデータなのでいまはもっと高齢化が進んでいるはずだ。日本の飲食店で大手は二割しかなく、ほとんどが中小零細。しかし実はこれが内需中心の日本の大切な資産だった。経営者の中心は60代。いまは70代になっているだろう。この年代で店を潰して下手したら個人破産までいくと二度と再起は出来ない。個人破産などしようものなら10年くらいは影響を受けるから再起は無理だろう。

実は旅館業もほとんど同じで経営者のほとんどが60-70代。後継者は半数がいるが、コロナで倒産してしまって経営者は個人破産となったらもう旅館を継がないだろう。リスクがたかすぎて親も継がせない。

簡単にコロナが収めるまで締め付けておけとかいうと、日本の財産が消滅してしまう。すでに日本はサービス業中心の内需の国になっているのだ。お金を使うところがなくなれば消費もされない。

で、分からない人は分からないのだが、

2016年のフード・ビジネス全体の名目事業規模は、178兆7,800億円。食料品工業が約32兆円、飲食サービス業も約32兆円で、食料品流通業が約115兆円。飲食サービスは32兆円だがここが潰れると流通や、工業、そして農家や漁民も大被害なのです。コロナ禍ではスーパーなどはウハウハで儲かったことは知っているが、たとえぱマグロの価格などは

2020年はコロナ禍でマグロの価格が過去にないほど下がった。フードロスは悪者のように言われるが、フードロスがあるからこそ生産者はやっていけた面もあり、飲食店が大量に閉店すれば農家もかなりの打撃を受ける。米価も下がるし離農もかなり増えて食料受給率も下がるのは明確だ。

女性の失業者の増加と自殺者の急増

飲食業は不正規の女性労働者が多い。前回の緊急事態宣言から女性の失業率が急上昇した。


結果、どうなったか。

コロナ禍で日本人女性の自殺が急増、「特有の悲劇」が顕在化

10月の自殺者は、前年同月比で男性が約22%増。女性は約83%増

ということになりました。かねてから書いているように

日本の過去30年の統計から失業者が160人増えると自殺が1人増え、改善されないとそれがずっと続く。その傾向がまずは女性労働者に現れているということだ。
ほとんどの自殺者は自殺するときは精神疾患になっていて正常な判断力を失っている。そしていったん罹患してしまうと自殺しないまでも回復に長い時間がかかる。つまり、罹患させないこと、つまり、失業率を上げないことが最大の予防策なのは明白。コロナだって罹らないようにしようといってるのに、精神疾患は罹ってから治療すれば良いという医療従事者が多くて呆れる。

結局、時短など守らない飲食店が続出する

まともな経営者であれば、自分はもとより家族や従業員を守らなくてはならないと考える。毎回、毎回、時短に従って路頭に迷い、自分や従業員が自殺に追い込まれるよりは時短に従わない道を選ぶだろう。どこの誰かも知らない認知症の高齢者より自分の家族や従業員が大切なのは当たり前です。

「酒類を提供する飲食店」に限られるなら、利益は相当に減るだろうがお客の囲い込みのために「お酒を持ち込みOK」にして幾ばくかの持ち込み料を頂けば良い。これは海外では普通で、酒販免許のない飲食店は酒の持ち込みはOKである。お客が勝手に持ち込むのだから店は深夜まで営業してもよいのだ。この制度ができれば実は自分は非常に嬉しい。料理が美味しくても置いてある酒がイマイチの店なら好きな酒と合わせることが出来るからだ。

家賃の心配のない飲食店は時短を守り、力尽きた飲食店は閉店し、生き残る気概がある飲食店は時短など無視する。

わかりきった結果である。コロナで死ぬ確率は全年代で0.5%、50代以下なら女性0.02%で男性0.07%である(東京都データ)。コロナで死ぬ確率は殆どないのに倒産、破産を選択する人はほとんどいない。日本で一番自殺するのは50代の男性だがバブル崩壊の後は毎年10万人あたり70人以上が自殺していた。奇しくもコロナの致死率と同じ0.07% w しかしコロナは予防できるがこれはできない。そして業種を狙い撃ちして確実に来るので、飲食業の人にとっては遥かに死ぬ確率が高いことになる。

誰もが死にたくないし、路頭に迷いたくない。子供に進学を諦めさせたり、倒産して取引先に土下座して回りたくない。だから、賃貸で閉店する気がない飲食店の多くは時短は守らないか、酒の提供をやめて持ち込みOKにするなどの逃げ道を考える。これが当たり前の行動と思う。

感染が拡大すると経済が余計回らないの大嘘

「感染が拡大すると経済が余計回らない」と声高に言う人がいて、だから経済を殺してもコロナを抑え込んだ方がいいのだそうだ。これは全くの妄想である事は前回のエントリーで書いた。

経済を1〜2ヶ月完全に殺してコロナを抑え込むのがいいというのは単なる妄想

では海外ではどうなのか。

実は毎日3000〜5000人が死亡しているアメリカでは経済が好転している。来年の経済成長見通しを約4.2%とし、前回予想の約4%から引き上げ。失業率については、6.7%から5%に減少すると予想されている。9月時点では5.5%に減少するとしていたのでさらに景気が良い。起業する人も非常に多く、「負けるものか」というマインドが強い。ハワイは日本に換算すると一日500〜1000人亡くなっているが観光は全開!!年末年始には日本人観光客の姿も見られたという。

つまり、経済はマインドなのだ。

いままでインフルエンザで年間2〜3万の超過死亡(西浦説)があったときも経済に影響は無かった。コロナが怖い、怖いというマインドが経済を止めているのであって、コロナの感染拡大自体が経済を止めているわけではない。こういうことを書くと、「人が死んでいるのに経済を尊重するのか」というのが湧いてくるが、前出のように経済を殺せばコロナなどよりずっと多くの人が路頭に迷って死ぬ。

いま大事なのはとにかく医療崩壊させないこと。そのためには受け入れ能力のある私立病院に受け入れさせること、院内感染や施設内感染にリソースを振って封じこることの2点でピークアウトまでは耐えられるはずだ。

日本中で無能な首長と身勝手な医師会に対しての怒りがわき上がっている。私だって怒りが収まらない。人身御供にされる飲食店と従業員やその家族を守らないと!!

うつについての知識がまだまだ足りないことを感じる。大切な人を失わないために知識は大切です。ちなみにわたしは長い人生で指を折って数えたら、面識がある人で自殺した人は8人もいました。元の上司、同僚、外注先のデザイナー×2人、知人、仕事相手のサーフィンの知り合い、親戚、です。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2021年1月6日の記事より転載させていただきました。