金融資産の運用において、アクティブ運用でインデックスに勝つことは可能なのか?というのは、資産運用業界の永遠のテーマです。
過去のデータによれば、インデックスより高いリターンを実現するアクティブファンド(投資信託)の数は、全体の半分以下です。つまり、確率的に考えれば、アクティブファンドを選んでインデックスに勝てる可能性は低いのです。
また、究極のアクティブ運用といえるヘッジファンドもユーリカヘッジのデータによれば、2020年の日本市場での運用成績は、11月末時点で平均でマイナス2%。これは、同じ期間の東証株価指数(TOPIX)のプラス2%を下回っています。「ヘッジファンド=高利回り」というのは、一部の卓越した運用成績のファンドが作っている幻想です。
機関投資家のアクティブ運用は、このように割に合わない投資と言えますが、個人投資家には機関投資家よりアクティブ運用によるアドバンテージがあると考えている人もいます。
例えば、中小型株の個別銘柄運用をしている遠藤洋さんは、個人投資家のメリットとして次のような点を挙げています。
1. 投資期間を長期にすることができる
年金や投資信託の運用では、短期で成果を出すことが求められます。例えば年金運用は3ヶ月ごとに委託者である投資家に説明を行います。また、投資信託も成績が悪ければ、すぐに解約されてしまいます。個人投資家は、短期的に値上がりしない銘柄でも、辛抱強く継続保有することが可能です。
2. 説明責任がない
機関投資家は銘柄を購入した理由を合理的に説明できなければなりません。その結果、説明しやすい無難な銘柄ばかり投資することになってしまいがちです。個人投資家には説明責任はありません。自分の良いと思ったものを自由に投資することができます。統計データの無い業界でも、躊躇なく投資できるのです。
3. 流動性を考えなくて良い
個別株式の中でも小型株は時価総額が小さく、プロの機関投資家が投資対象にしにくいため、情報の効率性が低く、「歪み」からの超過収益を上げられる可能性があります。
※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所、株式会社資産デザイン・ソリューションズは、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また、投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2021年1月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。