開成番長の勉強術:緊急事態宣言下、意志力の高い子は何が違うのか?

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こんにちは。個別指導塾テスティー塾長の繁田和貴です。

再び緊急事態宣言が出されて約一週間。学校は休校にならないようで、子どもたちの生活リズムが崩れる心配は少なそうですが、こういった状況で塾に通うことには不安を感じる親御さんも多いのではないでしょうか。

今後子どもにも感染が拡大したら、また塾も休校になるかもしれません。自主的にお休みをして家で勉強というご家庭や、オンラインで授業を受講というご家庭もあるかもしれません。

そこで、今回は、家庭学習・オンライン受講をする上で、学習効率を高めるための秘訣についてお伝えしようと思います。

まず大前提として、塾で勉強するのと家で勉強するのとでは、塾で勉強する方が効率が上がる子が多いです。家の方がはかどる子・集中できる子は少数派です。

この違いは何かと言われたら、「環境」の違いです。

塾の自習室と家とで同じテキストを使っている場合はもちろん、オンラインで家から授業を受ける場合だって、授業から得られる「情報」は同じです。

しかし、塾でやった方が集中して早く進んだり、習った内容が記憶に定着したりする子が多い。それは塾という「環境」の中に置かれることで、体験が全く別物になるからです。

CDで聞く音楽とライブのその場で聞く音楽の違いや、家のテレビで見る映画と映画館で見る映画の違いを想像してみてください。同じ曲・同じ映画でも、体験の価値がまるで違いますよね。

この例の中で言うと、塾の授業はライブと同じであり、観客も参加者の1人してその場の熱量を高めています。家から画面越しに授業を鑑賞するのとは全く違うのですね。

このことが分かれば、どうすれば家庭学習・オンライン学習の質を高められるかも見えてきます。

学習の質を高めるためには、環境を整備することが最も簡単です。このことは「意志力が強い人はどんな人か?」を調べた研究からもわかります。

シカゴ大学の研究者が行った実験によると、『性格テストで「誘惑に抵抗するのが上手い」と評価された参加者ほど、1日で誘惑を感じないように行動している』ということが分かったそうです。

意志力が強いと評価される人は、意志力が弱い人より誘惑に勝つ力が強いわけではなく、そもそも誘惑が多い場所に身を置かないように行動してるんだそうですね。

塾という環境は、テレビやゲームといった誘惑はありません。また、その場にいる皆の視線があるので、ボーっとしていたらカッコワルイというプレッシャーも働きます。先生や友達とのやり取りがあるので、話についていこうという意欲も生まれます。普通に考えれば、家庭よりも塾の方が勉強に適した環境になっているのが当たり前です。

そこで次に考えるべきなのは、これらの要素を家庭に持ち込む方法ですね。

例えば私たちテスティーでは、算数道場という講座で最初に先生と一緒に生徒が目標設定をすることで、実際の自習室で一緒に勉強するのと近い空気を作っています。これが「家で一人」で勉強している生徒との違いを生んでいます。

オンライン個別指導のWeb個でも、1対1でどんどん講師から問いを投げかけることで生徒の授業への参加の度合いを大きくして、教室での授業と同じ状況を作っています。これがオンライン授業をただ見ているだけで「ただの観客」になってしまっている生徒との違いを生んでいます。

これは先生の側の働きかけによって何とかしているパターンですが、本人にちゃんと意欲があるけどオンラインは苦手という場合であれば、「授業で3回は手を挙げて発言する」といった目標を自分で決めて、参加の度合いを高めに行くこともできますね。

塾という環境の中で子どもたちを集中させている要素は何だろう?と分解して考えると、家庭の中に取り込む方法も見えてきます。

今後いつまた学校も休校になるかもしれません。実際、小学校〜高校は通学が再開されていましたが、大学ではこの約1年ずっとオンライン授業というところも多いです。オンラインで勉強せざるを得ない機会というのは必ず訪れると思って、そのための準備は整えておかなければいけません。

オンラインでも勉強できる子とできない子の違い、その最大の差は自分が勉強できる環境を整えられるかどうかです。

この秘訣をお子さんともシェアして、良い環境づくりについて話し合ってみてくださいね。

それでは!