菅首相の施政方針演説と、都議選候補者公募に踏み切ったれいわ新選組の嗅覚

とても国民に希望と勇気を届けることが出来る状況ではないが、それでも政治家は頑張らなければならない

施政方針演説する菅首相(NHKニュースより:編集部)

色々批判はあっても、現状では総理としての所信表明はこうならざるを得ないだろう。

総理の所信表明の前に所信表明の原稿をネットに流してしまった軽率で失礼極まりない国会議員の方がいた。
国民の師表たるべき国会議員がこういうことをやってしまうから国会議員が国民から侮られてしまうことになる。

困ったことである。

まあ、国会議員は国民のレベルを超えることが出来ない、と言われているので、結局はこういう国会議員を選んでしまう国民の方にも問題があるのだが、国会議員が常識と礼節を欠いている現状は決して好ましくない。

菅さんの所信表明演説は、それなりに練られたもので、その内容自体に大きな問題があるとは言い難い。
今の状況では、あれが精一杯だったということだろう。

オリンピックの開催の年を迎えて総理がオリンピックに言及するのは当然であり、言及する以上は現下の状況ではあの程度の表現にならざるを得ない。

大方の国民に、今の状況で希望と勇気を届けるのは、実に難しいはずだ。
それでも政治家は、国民に希望と勇気を届けるために頑張らなければならない。

野党の皆さんも然り。
念のため。

この段階で都議選の候補者公募に踏み切ったれいわ新選組の嗅覚はさすが

れいわ新選組の山本太郎氏の衆議院選立候補には何の違和感もない。

れいわ新選組FBより:編集部

かつての参議院選挙の熱気を取り戻すことが出来るかどうかは分からないが、山本太郎氏の言葉には力があるから、これまで投票所に足を運ばなかった方々の代弁者には十分なれるだろうと思っている。

山本太郎氏が立候補すれば、立憲民主党や共産党の票が相当食われてしまうだろうから、共産党や立憲民主党と山本太郎氏のれいわ新選組の間で候補者調整の話し合いが持たれるであろうことも十分理解している。

しかし、今年の選挙では、れいわの旋風が吹くとは思えない。

山本太郎氏の魅力は、街頭演説にある。
その街頭演説を事実上封じられた状態が相当期間続く見込みなので、山本太郎氏やれいわ支持者の皆さんが期待されるほどには有権者に浸透しないだろうと思っている。

それでも、れいわ新選組は今年行われる東京都議会議員選挙に向けて候補者公募を進めるそうだ。
どれだけの応募者がいるのか分からないが、この段階で候補者公募に踏み切る積極性は評価されていい。

いい候補者が集まれば、れいわもそれなりに支持を拡げるはずである。

まだ候補者公募を行っていない他の政党も見習った方がいい。

動かなければ、風は起きない。
待っていれば何かいいことがあるかも知れない、などとはくれぐれも思われないことである。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2021年1月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。