医療体制を地域完結型へ:「墨田区モデル」がコロナ禍で注目される

川松 真一朗

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東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。

国会審議始まる

さて、1月18日から通常国会が始まります。特措法改正、感染症法改正がメディアを含めた大きな注目となっているのは言うまでもありません。

しかしながら、政治家の議論している今現在もコロナの感染は広がり、経済の疲弊は進んでいます。こういうもどかしい思いをずっと抱えながら約1年過ごしてきた中で、かなりのマインドチェンジが私の中で起こっています。

つまり、法律や条例を改正しなくても「やれる事はやっていく」という思いが強くなっています。政治における議論になると、どうしても各級議会で与野党の駆け引きでも出てきます。これが、緊急事態なのにそれでよいのだろうかということですね。

墨田区モデル進行中

そこで、例えば私は墨田区ですから、墨田区長と常に意見交換をして、現行ルールの中で最大限出来る事をやっていきましょうという姿勢を取っています。それが今では「墨田区モデル」として各方面から注目を集めるようになっているのです。各種メディアで取り上げられています。

私は年末の小池知事へ都議会自民党として直接要望に行った際にも、「国が」「都が」とかの議論に関係なくやれている自治体が墨田区のようにあるのだから、速やかに、もっと現場の保健所がが動きやすいようにお金や人のサポートをすべきだと知事に申し上げました。

今、入院待機の方が増えています。

医療資源が限られる中では、退院者がいなければ入院は出来ません。ここに1つの“目詰まり”が起こっています。勿論、コロナ患者さんを無理矢理、退院させるべきだと指摘しているのではありません。例えば、高齢の患者さんで、治療のめどがついても体力が落ちるなどしてすぐには退院できないケースがあったりします。他にも高齢者施設から入院された方が施設に戻ろうとしても「本当に大丈夫か?」と施設側が陰性証明的なPCR検査を求める場合もあります。医師の退院OKが出ても、こういう場合は検査結果が出るまで身動きが取れなくなります。

こういった場合の時に、もう峠は超えて、コロナを人に感染させる恐れが無い方を受け入れてくれる医療機関確保に動き出しています。これまで医療崩壊が叫ばれる中で、ほとんどの民間医療機関では感染症対策が施されていないなどの理由で「受け入れは難しい」とされた医療機関でも、上記のような患者さんであれば受け入れは可能という場合が沢山あります。

区長方針、大きな決断

そこで、墨田区では今般、回復した患者が一般病床に転院できるように、受け入れを行う医療機関に補助金を出す方針を決めたのです。現状では7医療機関を確保しており、今月にも墨田区議会で議論されますが、新年の区長メッセージでは、このように発せられています。

コロナの医療体制を「病院完結型」から「地域完結型」へ転換を図ります。
従来は、重症者に対応できる病院に感染者が集中していましたが、今後は、これらの病院と軽症者に対応する病院が連携することで、入院期間の短縮を図ることができ、重症者に対応できる病院の負担軽減と受入れ体制の拡充を目指します。

【参照:緊急事態宣言発出を受けての区長メッセージ(令和3年1月8日付け)】

私はこういう取り組みに賛同して頂ける医療機関にはしっかりと行政支援がされるべきと考えております。これこそ、基礎的自治体のあるべき姿です。

これまでも、墨田区では検査体制の強化を図ってきました。

保健所長が区内各医療機関と綿密な調整を行って、本当に多くの医療人にご理解を頂き、総合力でコロナに向き合う体制が築かれました。国民の皆様に行動変容をお願いする事は大切ですが、行政側も全力で事に当たります。年末は大晦日まで、墨田区の西塚保健所長には都庁に詰めて頂き、都内の全域の入院調整をサポートする調整本部を支えて貰い、都市が明ければ墨田区の感染症対策の先頭に立って頂いております・

やれる事はやる

入院待機者が増えてしまう、宿泊療養待機者が増えてしまう原因は幾つもありますが、こうやって除去できる要因は各所で異なったりします。でも、現場に気概があれば、何でもやれると思っています。この墨田区モデルを、まずは墨田区民や東京都民に知って頂き、皆でONE TEAMとなっていくきっかけになればと考えています。

これからも、様々な墨田区モデルを発信していきます。