1月27日の参院予算委員会で菅義偉首相と立憲民主党の蓮舫(代表代行)が新型コロナウイルスの医療提供体制をめぐって応酬を繰り広げた。
蓮舫氏は首相のコロナ対策に関する発信力不足などを
「そんな答弁だから言葉が伝わらないんですよ。そんなメッセージだから国民に危機感が伝わらないんですよ。あなたには首相としての自覚や責任感、それを言葉で伝えようとする、そういう思いはあるんですか!」
などと繰り返し責め立てた。
普段は冷静な菅首相も
「少々失礼じゃないでしょうか」「昨年9月16日に首相に就任してから、一日も早く安心を取り戻したい、そういう思いで全力で取り組んできました。緊急事態宣言も悩んで悩んで判断した。言葉が通じる、通じないとか私に要因があるかもしれませんが、精いっぱい取り組んでいるところです」
と少し色をなして反論したのが印象的であった。
確かに、政府の後手後手の対応や、菅首相の覇気のなさや発信力不足は問題だ。それは、最近の多くの世論調査で内閣支持率が続落し、不支持率が支持を上回っていることからも見て取れる。
ツイッター上でも、
「今日の蓮舫さんはまとまなこと言ってると思う」「政治家が精一杯がんばっていると言い訳するようではおしまい」
と、蓮舫氏を支持する声もあった。
一方で、感情をあらわにしてがなり立てる蓮舫氏に対して
「パワハラ上司みたい」「わーわー言っても伝わらない」「不愉快の度がすぎる」
などの声も多い。
批判を受けてか、28日になって、蓮舫氏が珍しく、「いつも反省するのですが、想いが強すぎて語気を張ってしまうことを」と殊勝なツイートをした。
しかし、国会の場は、首相に対して、発信力や政治家としての姿勢を問う場ではなく、まして、蓮舫氏のパフォーマンスの場でもない。今はコロナ感染症や経済対策について、有意義な質問をしてほしい。
蓮舫氏は今月18日、菅首相が同日の衆参両院の本会議で行った施政方針演説の原稿の一部を、首相の演説前にツイッターに投稿するという幼稚な行動が問題視された。立民は謝罪に追い込まれたが、蓮舫氏も先ずはこの行為こそ、国会の場で謝罪しても良かったのではないか。