来年度東京都予算はいくらになるの?注目予算はこれだ!

2021年02月02日 06:00

こんにちは、東京都議会議員(町田市選出)
無所属 東京みらい おくざわ高広です。

K2_keyleter/iStock

1.来年度の東京都予算はおいくら?

1/25(金)に、令和3年度東京都予算案が示されました。

厳しい財政環境の中にあっても、都⺠の命を守ることを最優先としながら、東京の経済を⽀え、その先の未来を
⾒据えて、都政に課せられた使命を確実に果たしていく予算

と位置付けられ、一般会計歳出総額7.4兆円、特別会計や公営企業会計を合わせると15兆円を超えます。これは、スウェーデンやノルウェーといった国の国家予算に匹敵する規模であり、新型コロナ対策の追加補正予算が組まれるとのことで、さらに大きくなる可能性があります。

2.どのような予算がついているの?

東京都の予算は、7つの柱でつくられています。

①「人」が輝く、誰もがいきいきと活躍できる都市(ダイバーシティ

☞子育てや教育、介護予防や障害者への支援策が中心になります。

②世界⼀安全・安⼼、便利で快適な都市(セーフシティ

☞災害対策や交通インフラ整備、治安対策から感染症対策といった内容です。

③⽇本の発展を牽引し、将来にわたって世界をリードする東京(スマート東京

☞経済活性化策や雇用対策など事業者には目の離せない部分です。

④美しく、魅⼒溢れる都市(スマートシティ

ゼロエミッション東京の推進など、環境に関する内容が特出しされています。

これらに加えて、⑤「スマート東京」の実現、⑥東京2020⼤会の開催とレガシーの創出、⑦多摩・島しょの振興が掲げられています。

柱自体は昨年と変わらないのですが、5GやDXといった「スマート東京」の実現に向けた予算が、各取り組みを横断している点が違います。デジタルサービス局(仮)も設置されるということで、その力の入れ具合がよく分かります。

また、環境施策について、ゼロエミッション東京を目指した新規事業が目立ちます。これまでの環境局だけでなく、産業労働局での事業もあり、事業者の皆さんにとってはビジネスチャンスがある分野となるかもしれません。

3.お金はどこから出てくるの?

勘のいい方ならお気づきかと思いますが、コロナ禍の現在、東京都の経済状況は厳しさを増しています。東京都の財政は景気に左右される構造になっていおり、実際に来年度の税収は約4,000億円の減収が見込まれています。

平成3年と平成20年の大幅な減収は、バブル崩壊とリーマンショックによるものですが、コロナ禍の景気悪化が今後どのような道筋をたどるのか、現時点では分かりませんが、厳しい状況といえます。

では、なぜ収入が減ったのに支出は変わらずにいけるのかと言えば、

家計に例えると、無駄遣いの見直し(事業評価)で約1,100億円、貯金(基金)を取り崩して約8,290億円、借金(都債)をして約5,876億円を用意したというところです。

もちろん、こうした厳しい場面に使うために基金は用意しているのですが、その取り崩すスピードに危機感を強めています。

取り崩した中には、オリパラ開催のために蓄えてきて、それを使うというものも含まれているものの、一昨年の1/3以下になっています。今年、新型コロナ対策とはいえ、約1兆円の基金を取り崩してきたことで、感覚がマヒしているのではないかとさえ思えてきます。

お金が入ってくるからといって、使うことに慣れてしまうと、お金が入らなくなっても同じだけ使ってしまうというのは思い当たる方もいるかもしれません。

景気の良かった時にお金を使うことに慣れてしまった東京都が、その使い方に合わせてお金を調達しようと考えるとどうなるでしょうか。基金がなくなれば、将来の負担にもなりかねない都債をさらに発行することになり、それでも足りなければ増税をすることになるかもしれません。

そして、このペースで基金を取り崩してしまえば、来年度予算でなくなってしまう状況です。

来月以降予算審議が始まりますが、その先も見すえた議論をしていく必要があると考えています。

4.町田市の注目はこれだ!

私を都議会に送り出していただいている町田市の皆さんにとっては、どの予算が町田で使えるの?と思われるでしょう。特に注目するポイントは以下の3つです。

①行政のデジタル化を後押し!

東京都から多摩地域の各市町村に対しては、総合交付金という形で予算が出ています。中でも政策連携枠といって、東京都が進めたい政策を進める自治体には追加で予算が出ます。

来年度は「行政のデジタル化」が加えられ、町田市の行政手続きをデジタル化する予算がつくことになり、これによって町田市役所での手続きが簡単に、便利になることが予想されます。

②サテライトオフィスの設置促進

コロナ禍の今、地域で働き、地域で暮らしていく生き方への注目が集まっています。これまで都心へ都心へと集中していたヒト・モノ・カネが分散し始めたのです。

そのような価値観が広まるにあたっては、町田市の環境は大きなチャンスと言えます。来年度予算では「地域振興型小規模サテライトオフィスモデル実証事業」というものがあり、商店街の空き店舗等を利用したサテライトオフィスを支援するようですが、町田市でも是非手が上がってほしいと思うところです。

③TOKYOスマートスクールプロジェクト

これもコロナ禍で浮き彫りになった課題ですが、学校におけるICTの導入が一気に進みます。町田市では独自に小中学校へのタブレット配置などを進めてきましたが、来年度からはICT導入支援員配置や高校でのICT導入が進むことになりそうです。

一人ひとりの能力や特性に応じた学びを提供することを「公正に個別最適化された学び」と言いますが、これが実現すると、一人ひとりが自らの興味関心や夢に向かって学ぶ時間を生み出すことができるとされています。自然環境も含めた様々な魅力がある町田市では、その教育環境を求めて移住してくるケースも考えられ、大きなチャンスとなりそうです。

5.その他にも・・・

金額としては決して大きくはないですが、都認可外通信制高校が私学無償化の対象に加えられたり、ロボットカフェのような障害者等が場所を越えて働ける仕組みづくりがモデル事業で採用されたり、福祉事業所でのデジタル化を応援したり、スマート農業が増額されたりと、私が様々な現場で見聞きし、提案してきた事業が形になりつつあるのはうれしい限りです。

しかし、私は議員の役割の一つは、個別予算に一喜一憂することなく、将来を見据えた財政のかじ取りをしていくことだと思っています。木も見て森も見る姿勢で第一定例会に臨みます。

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編集部より:この記事は、東京都議会議員、奥澤高広氏(町田市選出、無所属・東京みらい)のブログ2021年1月31 日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はおくざわ高広 公式ブログをご覧ください。

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東京都議会議員(町田市選出、無所属 東京みらい)

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