なぜ、気象予報会社が花粉症の予報を出すのか

2021年02月05日 06:00

そろそろ花粉の季節です。鼻がムズムズ、目がかゆい……そんな症状に悩まされ始める人が増えてきているのではないでしょうか。

その日花粉がよく飛ぶかどうかは、天気予報の一環でアナウンスされます。晴れや雨などの天気、気温や降水量などとは違うのに、天気予報の一部になっているのはなぜなのでしょうか。

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これは、花粉がスギやヒノキなどの「花」から飛ぶものであり、植物が花をいつから、どれだけの量を咲かせるかは気象条件によって変わってくるからです。そして、花粉は風に乗って飛んでいくので、こちらも気象条件がおおいに関係しています。

花粉の予報には長期予報と短期予報があります。

長期予報とは、「今年の花粉飛散量は多いのか少ないのか」「今年の花粉はいつごろから飛び始めるのか」という予報です。

そして短期予報とは、「今日の花粉飛散量は多いのか少ないのか」です。

長期予報は、前年の夏の天候をもとに出されます。この時期の晴れの日が多かったり、気温が高かったりすると、スギなどの雄花が成長する傾向にあるからです。また、花粉の多い年と少ない年はほぼ交互に来ることが多いので、花粉飛散量が少なかった年の翌年は花粉が多くなる傾向にあります。

では、短期予報はどのように出すのでしょうか。これは実は花粉の飛びやすい気象条件になるかどうかが根拠となっています。その条件とは、「よく晴れていて湿度が低く気温が高い日、雨の日の翌日、そして風の強い日」です。風が強ければ、スギ林から遠い場所でも花粉が届きやすくなります。また、地域によっても飛散量は違います。単純に考えても風下の地域は風上よりも飛散量がどうしても増えます。しかし、スギ林との間に山や建物などの障害物があれば風下には花粉は届きにくくなります。

ちなみに、意外なようですが、気象庁は花粉の予報を行っていません。予報を行うのはもっぱら民間の気象会社です。たとえば大手気象会社の日本気象協会やウェザーニューズの天気予報アプリを見ると、花粉症の予報を確認することができます。また、環境省でも「環境省花粉観測システム(愛称:はなこさん)」というサイトで現在の飛散状況を確認することもできます。

今年は年末年始の冷え込みがきつく、そこで昨年夏に作られたスギの花芽の休眠が打破された可能性が高いです。その後の気温は平年よりも高い傾向にあるため、今年の飛散開始時期が早いと予想されています。もう花粉が飛んでいる地域もあるかもしれません。うまく予報や実況情報を活用しながら過ごしたいものです。

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気象予報士・サイエンスライター

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