コロナ対策にもっとも足りないもの、それはマーケティングの視点である

2021年02月10日 07:30

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Business/iStock

前々から言っていますが、日本のコロナ対策にもっとも欠けているのは、

効果のあるところに限られたリソースを効果的に投入

という、マーケティングではごく当たり前の基本的なことだと思います。尾身先生はまだだいぶんまともな方なので「緊急事態宣言とピークアウトは関係ない」とテレビでおっしゃってくれましたが、肝心の対策については「ピンポイントでやるべき」までは正しいと思うのですが、それが一律の夜8時以降の飲食店の制限になる時点でやはりおわかりになっていないと思うのです。

そこで本日は、「マーケティング視点をコロナ対策に取り入れるとはどういうことか」について、簡単に説明しようと思います。
まずはこちらをご覧下さい。電通報からです。

2019年にはついにインターネット広告がテレビメディアを抜きました。2000年頃から新聞やラジオ、雑誌の落ち込みが酷くなり当初はネットに食われた形でしたが、いまではネット広告の伸びと比較して地上波は横ばい。新聞、雑誌は死に体です。

なぜこういうことが起きたのか。インターネット広告が従来の新聞や、雑誌、テレビと比較して優れているのは以下の2点です。

1 広告代理店を通さずとも直接出稿できる

2 効果がはっきりと認識して解析できる

実はこれが広告代理店泣かせ、出稿元にとっては大きなメリットなのです。それまでの雑誌やテレビ広告は、広告効果がはっきり分からなかった。広告代理店にとっては楽ちんではあった。たまにハガキとか電話で問い合わせる広告もあるが、大半はイメージ広告で出稿しても効果の測定が物理的にできない。

自分はリクルートに新卒で入ったのであるが、リクルートがどうして就職、住宅、旅行、自動車などの情報誌で急激に成長したかと言えば、はっきりとした効果が分かるからである。ひとりの顧客を呼ぶのにいくらかかるのか、これがわかるとペイするかどうかがすぐ分かるから予算も組みやすい。Googleがこれほど成長したのもAdWordsがこの方式だからだよね。

そして、インターネット広告は途中で広告を修正でき、効果がなければすぐ止めることもできる。最初の負担は小さくて済み、効果があったら大きく予算を取れば良い。ローリスクなのです。

しかし、新聞や雑誌は数十万から数千万出しても、広告はもちろん後で変更できない。数千万使ったけど全然ダメだったということもあり得るわけです。テレビはその最たるもので、キー局で展開しようものなら数千万から数億は軽くかかる(いまは安いみたい ww)。そして費用対効果は広告代理店が適当に調査する(いくらでも誤魔化せる)「認知度がこれだけあがりました」程度の報告書しか出せません。
だからいまや深夜とかの通販番組(インフォマーシャル)が大人気なのです。あれはたとえば1万円の利益のためにいくらかけたのかかがすぐ分かります。

マーケティングとは広告の話だけではないが、ここ20年で少なくとも広告は「より費用対効果が明確なもの」にシフトしてきました。広告だけに限らず、たとえばサイト制作やコンテンツについても、「いくらかけたら何人集客できた」ということがはっきりわかるため、昔のようにカタログを何万部作って何千万かけた(しかし何人に渡ったがわからない)より、明確にひとりあたりのコストを算出出来るわけです。

国民全員に制限を掛けるのは昔の広告の発想

そこで現在のコロナの対策を振りかえると、「国民の行動を80%制限する」というようなものは、大昔のテレビコマーシャルにいきなり20億円かけると同じくらい旧態依然とした馬鹿げた施策であると断言できます。少なくともマーケティング的な視野は0です。

1 費用対効果の精査を全くしていない
※これだけのコストをかけるのだから、何人の感染者を減らし、代わりにどれだけのコストを消費するという試算が皆無。

2 80%制限するとこうなるという根拠が個人の一本の数式
※いままでやったこともないのに机上の空論で決める無意味さ

3 経過の精査が出来ない
※80%減らすというのが渋谷駅前の人出だけ w
いくらなんでもこれでは・・・・

昨年の緊急事態宣言も同様。航空機を強制的に減便させることでどれだけの効果を得られるかとか、飲食店を閉店させることでいったい経済の破綻と比較して一人を助けるためにいくらかかるのかが試算もされてない。
例えば単純計算で昨年の緊急事態宣言はGDPは50兆円マイナスだったとする。これで1000人の基礎疾患ありの高齢者が助かったとすると、1人あたり500億円のコストがかかったことになる。平均寿命が2年延びたとすると寿命1年あたり250億円だ。

本当にこれだけのお金をかけるなら、難病で心臓手術が必要な子供に2000万円ずつ配布すれば250万人(思わず計算し直した)助かるわけで、費用対効果を考えるととんでもないことをしたことが分かる。

まさにインターネット広告の前の時代に「会社の命運をかけて100億円かけてテレビコマーシャルを打ちまくりましょう」という馬鹿げた施策をやった企業みたいなわけです。50兆円かけるなら、医療に全部突っ込んでコロナの治療報酬を100倍にしても楽勝である。そのほうが医療崩壊もせず、死者も出なかった可能性が高い。

今の時代のコロナ対策とはどういうものか

それではマーケティング見地で考える感染防止対策とはどういうものだろう。
尾身先生がおっしゃる「ピンポイント」です。

まず最優先にすべきは

●高齢者施設の徹底封じ込め

です。これは絶対最優先です。医療崩壊は重症者が増加することで起きるのだから、高齢者施設の多額のコストを投入すればかなりの確率で封じ込めができたはずだ。「職員含め全員の毎朝PCR検査」「多額の特別手当で良質な職員を確保」(質の悪いメンバーと入れ替える)「職員用ホテルの確保」「IT化による情報共有システム構築と導入」「職員の防疫訓練」など素人の私でもいくらでも思いつく。

●コロナ受け入れ病院の徹底優遇

争って受け入れるほどの高報酬を設定。重症用ベッドを数倍にしておく

●本当にクラスターが発生するリスクの高い場所に絞って制限

接待付きの飲食、カラオケは、すべて閉鎖させる。その代わり昨年の申告の売上の6割を補償する。はっきりいってまともに申告していないところは潰れても良いので補償しなければいいだろうというの話である。

逆に喋らないで短時間で入れ替わるラーメン屋や、大声を出す客などまったくいない高級割烹、フレンチ、イタリアンなどは制限する必要もない。管理がしっかりできるファミレスも同様である。駅などの喫煙所はクラスター発生が度々起きているのですべて閉鎖。

子供や若者への制限はまったくムダ

小池百合子が

ここまで非科学的な馬鹿なことを言うとは思わなかった。

東京で高齢者と同居する若者はたった1.8%

56人に1人の若者しか高齢者と同居していないのに、どうやってうつすというんだ。
維新の青山議員は栃木県の感染ルートを辿ってこれを完成させました。ほかの自治体でも濃厚接触のルートを発表しているところは同様にすぐ作業できる。自治体でやればいいではないか!!!

ほぼ同世代同士の感染!!!

である。簡単に言うと

1000人の若者が感染しました。そのうち高齢者にうつす可能性のあるのは16人

500人の高齢者が感染しました。そのうち高齢者にうつす可能性のあるのは450人

どちらが高齢者に感染させますか。という簡単な数式なのに、感染する若者の数が多いから若者を制限すべきという、本当にバカみたいなことをしている。比例計算さえできないのか。

実際、フロリダでは高齢者の移動を制限して大きな成果を上げた。高齢者率が非常に高いのに人口あたりの死者数では26位、感染者数は30位。別に散歩にも行くなと言っているわけではない。それこそ大声を出すような環境の飲食店や、飲酒をできないような規制をかければよいだけだ。家飲みして貰えばよいではないか。

ざっと思いつくだけでも日本のコロナ対策には工夫も創意性も、費用対効果の概念も精査も解析もなにもなかった。地上波のテレビや大新聞に全面広告をうちまくるだけの無差別絨毯爆撃をするだけで、敵を殺すために侵入した市街地に核弾頭を投下するように日本の経済はメタメタになりました。
アメリカは日本の28倍の人口あたり死者を出しているがいまや経済に全開である。景気も急速に回復している。それにたいして日本はアメリカの人口あたり1/20の感染者数でいまだ緊急事態宣言で経済を殺している。欧米ならとっくにパーティ開いてお祝いでもしている数字だ。こうした海外との比較さえまったくできていないのがわが日本なのだ。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2021年2月9日の記事より転載させていただきました。

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