「積極的疫学調査」縮小が陽性者減の要因ではない!?墨田区の事例紹介

東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。

新規陽性者は減っているが

Rasi Bhadramani/iStock

最近、テレビなどでも、濃厚接触者追跡の幅が狭くなったので新規陽性者が減っていると、したり顔で話される方がいます。確かに、年末年始から比較していくと、新規陽性者が多くいた頃と、今とでは、そもそもの検査数も少なくなっています。東京都は1月22日に保健所業務の逼迫という事態を鑑みて、追跡調査の対象に優先順位をつけていき、何から何まで幅広く対応しなくてもよいとする通知を各保健所に出しました。

確かに通知を出して以降、都が発表する新規陽性者の数は減少傾向である事は間違いない。しかし、私の地元の墨田区では、東京都が積極的疫学調査の方針変更を決めた後も、力のある限り全力で調査を継続しています。山本亨墨田区長は小池知事が1月2日に西村大臣の下を訪れて、首都圏の知事達と緊急事態宣言発出を申し入れたタイミングで、更なる事態の混迷を考慮し調査などを行う保健所人員体制を69人から80人に増やし組織強化を図っていました。だからこそ、墨田区独自の様々な施策が打てているとも言えます。

墨田区から見てみると

この区長の決断に対して、西塚保健所長を先頭に保健所の職員の皆様は朝から晩まで、追跡調査や自宅療養者の様子チェックなど休みなくフル稼働しています。その墨田区の積極的疫学調査の推移を見てみると、やはり現象傾向になっているのです。とするならば、ネット上に流れるような調査縮小による陽性者減という仮説の根拠は薄くなります。

つまりは、全体的に減少傾向にあると思われるのです。そうすると、やはり緊急事態宣言での行動変容が一定の効果があったと言えるかもしれません。ただ、それが飲食店への時短要請がどれほど効果があったのかは検証が必要です。実際に駆け込み需要や家飲みがあるのも事実です。

一方でこんな話も

抗体保有率、東京0.91% 新型コロナ、前回の9倍―厚労省

厚労省の調査では抗体保有者が低い数字で抑えられています。抗体を持つとは、一度どこかでウイルスを体内に入れた可能性があると見られるのが一般的です。すると、連日のようにテレビがおどろおどろしく伝えてきた陽性者の数からすると、だいぶ低く見えます。これについて、感染症専門家の岩室先生はフェイスブックに「実際に把握された患者の人口比と大きな差がないことから考えると、保健所は相当数を拾っていることに。ご苦労様です。」とコメントしています。

次はワクチン接種

各保健所が把握して頂いている事には本当に感謝の思いで一杯ですが、これから更にワクチン接種も進めていかなければなりません。そして、このワクチン接種についても全国一律のルールが規定されているわけではありませんので、現場現場でスタイル異なります。マスコミは「練馬区モデル」とか取り上げたりしますが、墨田区もその他も、それぞれ準備を迅速に進めています。こちらも負担が増えずに、でもスピード感をもって取り組む為に、多くの皆様のご理解とご協力をお願いしているところです。