未だ生き続ける政官界の反日観と贖罪意識(屋山 太郎)

2021年02月18日 06:00

日本の政界は対中国認識を根本から改める必要がある。二階俊博自民党幹事長に代表される親中国政策は世界をミスリードしかねない。二階氏は中国の間違い、無謀に、絶対に抗議しない。二階氏は国と国との関係は良い時もあれば、悪い時もある。特に日清戦争の時、日本はいじめにかかったからその罪滅ぼしをしなければならないと考えているようだ。

eungyeon kim/iStock

この考え方は自民党に限らず、野党も同じだから始末が悪い。中国の漁船が日本の巡視船に体当たりした時、当時の民主党政権の仙谷由人官房長官は船長を特別便で北京に返した。「そんな外交があるのか」と諫められ、「日本は漢字を貰ったり、昔世話になったから」と答えたのには仰天した。現代中国語の7~8割が日本語からなっているのを仙谷氏は知っていたのだろうか。中国は清国を最後に滅亡しその後、何万人という学生が日本に留学した。当時、日本はすでに西欧文学や科学技術を習得していた。哲学の本などは実に見事な日本語に翻訳されていた。「哲学」という字は日本人がこしらえた「漢語」だが、中国の文学者魯迅も政治家孫文も日本語を通じて西欧の学問を学んだ。その日本式漢語には「科学」「経済」「共和国」など基本用語が多い。

韓国の国是は「反日本主義」であって、あの国が日本と真っ当な関係を作れるはずが無いという。これは日本に帰化した呉善花氏が説いている説で、私はこの人ほど日、韓両国に通じた人はいないと思っている。

その反日本主義は中国が本家だ。

日本外交の決定的に悪い点は外交を日、中、韓の3ヵ国でうまく転がしていればいいと考えてきたことだ。しかし歴史を振り返ってみれば、帝政ロシアに接近する反日本主義の韓国を、当時の日本は併合して納めるしかなかった。帝国主義時代、中国に列強が侵攻したから、これに足並みをそろえて日本も侵略した。中国共産党はその日本軍を敗北させたと宣伝しているが、日本が負けたのは米軍であって中国ではない。中国共産党が結成されたのは戦後の1949年だ。

日本は韓国を「併合」したから、あるいは「中国を侵略した」からと常に両国に謝罪しなければならないと言う人がいるが、国際的には連合国の賠償要求放棄と1965年の日韓基本条約やその他の賠償で、戦争の片はきちんとついているのである。

不思議なのは日本の野党である。彼らの言い分は常に中国、韓国の側に立っており、「反日主義」と言われている。日中や日韓の争いになれば常に、中、韓の側に立つ。しかし、素直に世界を見て貰いたい。日本人ほど誠実で、相手を慮(おもんぱか)る国民は少ない。日本人は世界中の人から評価されている。にもかかわらず、日本の政官界に広まる価値観は反日観しかない。こういう精神で世界を見ても各国を操る外交策など浮かんでくるわけが無い。

(令和3年2月17日付静岡新聞『論壇』より転載)

屋山 太郎(ややま たろう)
1932(昭和7)年、福岡県生まれ。東北大学文学部仏文科卒業。時事通信社に入社後、政治部記者、解説委員兼編集委員などを歴任。1981年より第二次臨時行政調査会(土光臨調)に参画し、国鉄の分割・民営化を推進した。1987年に退社し、現在政治評論家。著書に『安倍外交で日本は強くなる』など多数


編集部より:この記事は一般社団法人 日本戦略研究フォーラム 2021年2月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は 日本戦略研究フォーラム公式サイトをご覧ください。

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