2月25日の衆議院・予算委員会(分科会)で、徳島文理大学香川キャンパスの移転問題と、さぬき市の3つの県立高校の統廃合の問題について、萩生田文部科学大臣に質問しました。その概要は以下のとおりです。
私の生まれ育った香川県さぬき市は人口減少もあり、1つの大学が移転し、3つの県立高校が1つに統廃合される計画がもち上がっています。実は、私の卒業した小学校も中学校も廃校になってもうありません。そういうところで生まれ育ってきた者として、大学や高校までなくなってしまうのは非常に寂しいことです。ただ、これは今全国で起こりつつある話でもあります。
徳島文理大学香川キャンパス移転問題
◯玉木雄一郎
まず、大学について伺います。さぬき市にある徳島文理大学香川キャンパスが、2025年の4月、県都である高松市に移転するということが発表されました。今、さぬき市としては、その跡地について、民間も含めて様々な利活用の検討に入っていますが、例えば、ほかの県でも例がありますが、民間のレジャー施設であるとかスポーツ施設とか宿泊施設に譲渡あるいは貸付けされる場合、補助金適正化法22条で、大臣の承認が必要になると理解をしております。私立大学が、特に補助金を受けて形成されたような資産について処分する際に必要な手続について、大臣に伺います。
◯萩生田文科大臣
国庫補助を受けた財産について、補助金適正化法に基づき耐用年数を勘案して定めた処分制限期間を経過する前に処分する場合には、原則として、国へ当該財産の使用期間及び処分制限期間を勘案して算出した額を納付することを条件として承認を得ることとしています。なお、処分制限期間経過前であっても、財産処分の事由により国庫納付の条件を付さないケースもあります。例えば、財産を取得して10年未満の場合であっても、設置されている自治体の地域再生などの施策、例えば再開発などで場所を移ってくれなんということを、市や県の政策でそういった話が舞い込んで、それに協力をする場合ですとか、あるいは、文化の振興等に資する事業に使用する建物などを整備するために取壊し又は廃棄を行うことが必要であって、個別に特段の理由が認められるものについては国庫納付の条件を付していないところでございます。
◯玉木雄一郎
今1000人以上の学生が学んでいるので、学生もいなくなると、地域のお店、居酒屋さん、あるいはアパート、不動産の経営をされて いる方も相当今心配されているので、円滑に、代替的な施設であるとか、何か事業がそこで行われるようにしなければならないと思っています。今大臣がおっしゃったように、県や市が、地域再生に資する計画を立てれば、承認手続についての特例、例外もあるということでしたので、まずは地域で、そういった計画を立てていく必要があると思います。しっかりしたものができればまた相談をさせていただきます。
さぬき市の3つの県立高校の統合問題
◯玉木雄一郎
さぬき市には、志度高校、石田高校、津田高校という3つの県立高校があり、そのうち2つの高校は私の父と母が出た高校です。その3つの高校を2027年度以降に統廃合、そして新設校という方針を県が出しました。これに対して、OBをはじめ有志の方が、3つの校舎や運動場などを活用して専門科の教育を行う「キャンパス方式」と呼ばれる形で残してはどうかと求め、2万筆以上の署名が集まりました。
高校の廃校というのは地域の活力にもある種非常に大きな影響を及ぼします。文科省として、学校の統廃合、特に、高校の統廃合についての基本的な考えを、お聞かせください。
◯瀧本政府参考人
公立高等学校の設置につきましては、設置者である地方公共団体が適切に判断いただくべきものと考えておりますが、一方で、生徒や保護者のニーズ、進学動向、生徒の進学事情、地域の実情等に十分配慮しつつ判断いただくことが望ましいと考えております。その際、小規模な高等学校を統合して教育環境の充実を図ることも考えられますが、各設置者においては、高等学校が持続的な地方創生の核としての機能を有することにも留意をしていただきたいと考えております。このため、各設置者においては、適宜、各高等学校が所在する地元の市町村を始めとする地域社会の関係機関との丁寧な意見交換等も行いながら、各地域におきます生徒の学びを第一に考えて、特色、魅力ある高等学校の整備に取り組んでいただ きたいと考えております。
◯玉木雄一郎
人口が減るから学校も減らすという単純な話ではないと私は思います。鶏と卵みたいなところがあって、学校があるから初めてそこで子育てしようとか、そこで住み続けようということがあるので、ある程度、人口減少に伴って一定の整理は必要かもしれませんが、学校がなくなると一気に人がいなくなるということもあります。私は、自分の経験からも、むしろ少人数学級は悪くないと考えています。それを人口減少社会でどうやって生かすか、むしろ前向きに考えたい、考えてほしいと思います。
◯萩生田文科大臣
文科省として、ある分水嶺を越えたら統廃合すべきだみたいな基本的な考え方は持っていません。設置者の考えを尊重したいと思います。それで、先生も御案内のとおり、学校の役目というのは、子供たちのもちろん学びの拠点なんですけれども、例えば、災害時に緊急避難をするのはどこも学校だと思います。あるいは、今回、ワクチンの接種会場にも、学校の体育館などが選ばれる自治体は数多くあると思います。
すなわち、私、学校は地域にとってコミュニティーのためにもかけがえのない施設だと思っておりまして、ただ人口が減ったから、子供たちが減ったからとにかく廃校だ、統廃合だという乱暴な話じゃなくて、せっかくICT環境などが整います、必ずしも遠隔教育がいいとは思いませんけれども、そういうものも上手に使いながら、小規模校の魅力というものも設置者が判断をしていただいて、私は、どちらも選べるようにするべきじゃないか、あるいは、小学校、中学校を一つにして義務教育学校にしていくというのも一つの方法だと思いますので、安易な廃校は決して望んでいないということだけはまず申し上げさせていただきたいと思います。
高校の35人学級化について
◯玉木雄一郎
今回、35人学級を大臣の政治決断でやられたことはすばらしいと思っています。その上で、私の地元香川県では、小学校でも98%、加配教員の弾力運用などで中学校の学級も84%、中学校2年生までで35人学級を実現しています。高等学校についても、高大接続改革への対応などで教員の業務量が増えている中、この35人学級は高校でも必要だと思うし、そのための人員の増強が必要です。高校進学率が99%になった今、小学校から高校まで一貫した35人学級が必要ではないかと思います。こうした香川県の積極的な取組もありますので、是非ここは高校についても35人学級を進めるべきだと考えますが、 大臣のお考えを伺います。
◯萩生田文科大臣
私は、今回この35人学級の議論をする中で、なぜお金の割戻しで子供たちの人数が決まるんだろうかということにすごく違和感を感じました。これだけ時代が変わって、先生方が多忙化をして、もう本当に教員の志願者が減っていく中で、40人のクラスでどうやってICT環境の中で教室の中を先生たちが画面を見て回れるんだろうか、これは一列でもなくさない限り無理だ、そういう 判断もございまして、35人に踏み切らせてい ただいたところでございます。先生方にも大変御支援いただいたことを感謝申し上げたいと思いま す。
その上で、学校は大変な職場だというイメージを払拭して、教師が再び子供たちの憧れの職業になるように、学校における働き方改革がまさに喫緊の課題だと思っています。高校も、学校における働き方改革を進めるため、外部人材の活用や部活動改革、免許制度の検証、見直しなどの様々な取組を組み合わせてしっかり取り組んでまいらなければいけないと思っています。
また、ICTを活用した個別最適な学びと協働的な学びを実現するため、一人一人に応じたきめ細かな指導ができるようにすることが必要であり、これは小学生も中学生も高校生も同じだと思います。したがって、今回の学級編制の標準の引下げ計画を実施する中で、学力の育成やその他の教育活動に与える影響、外部人材の活用について、小学校ですけれども、しっかり実証的な研究を行うとともに、教師の養成や採用、研修などについて今後更に検討を行った上で、私は、やはり中学も高校もこういった方向を目指すべきだと思っていまして、その努力をしていきたいと思っています。
◯玉木雄一郎
なかなか財源の問題があって、財務省との関係も厳しいとは思いますが、今、高校も含めて目指すという方向、私はすばらしいと思いますので、これは応援させていただきたい。是非大臣のリーダーシップで進めていただきたいと思います。
編集部より:この記事は、国民民主党代表、衆議院議員・玉木雄一郎氏(香川2区)の公式ブログ 2021年2月27日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方はたまき雄一郎ブログをご覧ください。